コラム / 名コースを旅する
アメリカ / ニューヨーク州・ロングアイランド/ファーミングデール
ベスページ・ブラックを 歩く。 世界の 大舞台を、 自分の 18ホールに する ニューヨーク旅
GOLF DNA 公開: 情報確認:
世界の大舞台となったパブリックコースへ。直前予約に備えた3泊4日で、ブラックの起伏と地元の食卓を味わう。

全米オープンや2025年のライダーカップで見た舞台が、日常のパブリックコースとして開かれている。ベスページ・ブラックの魅力は、その距離の近さにある。ニューヨーク州ロングアイランドの森を歩き、自分でボールを探し、自分の判断で難所を越えていく。華やかな大会の記憶が、息の上がる坂道や一打の手応えに変わる旅だ。
広い砂の帯と起伏が、一打の覚悟を問う
ブラックでは、フェアウェイを横切るようなバンカーと、斜めに向き合う攻略線が印象をつくる。目に入る砂の広さだけで狙いを決めず、次のショットをどこから打ちたいかまで考えたい。大きく飛ばせた一打より、難しい場所を避けて次につないだ一打が、一日の流れを整えることもある。
長さと起伏が重なる18ホールは、歩く体力も含めて向き合う場所だ。ブラックには乗用カートを使う前提で出かけない。使い慣れた靴と雨具を用意し、キャディーや手引きカートの希望はプロショップへ相談する。自分に合うティーを選び、苦しいホールでは刻む。その判断まで味わってこそ、このコースを回った記憶になる。
○ ビジターでも回れる。州外の予約は5日前から
会員の紹介や同伴は必要ない。ただし、日本からの旅行者を含む州外の利用者は、公式案内では5日前のニューヨーク現地時間19時から予約を取る仕組み。州民と同じ7日前ではない。先々のティータイムを確保してから航空券を買う旅とは組み方が変わるため、ニューヨーク滞在の中に複数の候補日を置き、宿や移動も変更条件を確認して手配したい。
| 項目 | 旅の準備 |
|---|---|
| ビジター | ○ 会員同伴なしで利用できるパブリックコース |
| 予約 | 公式アカウントを準備。州外は5日前・現地19時から |
| 本人の参加 | 予約者本人が受付・支払い・プレー。予約の譲渡は不可 |
| 当日 | 1時間前までに受付・支払い、20分前までにティーへ |
| 営業 | ブラックは季節営業。月曜休場を基本に対象年の予定を確認 |
ブラックの予約には28日間隔の制限もある。短い滞在中に何度も予約して回る計画にはしない。当日枠は用意されるが、その枠を前提に渡航日程を固定するのも避けたい。予約できなかった場合の観光や別コースを先に考え、ブラックのティータイムが取れた段階で滞在日の使い方を決める。
3泊4日。ラウンドの翌日を予備日にする
| 日程 | 過ごし方 |
|---|---|
| 1日目・水曜 | ロングアイランドへ移動し、ユニオンデールに宿泊。近隣で早めの夕食 |
| 2日目・木曜 | 予約が取れればブラックへ。終了後は公園内で昼食、夜はイタリア料理 |
| 3日目・金曜 | 第2候補のプレー日、または休養・ニューヨーク観光。ホテルで夕食 |
| 4日目・土曜 | 朝食後に出発。空港までの移動に余裕を持たせる |
表はブラックを確約する日程ではなく、予約が直前に決まるコースに合わせた滞在例だ。木曜と金曜の両方を候補にできるよう、会食や観光の時間を詰めすぎない。ラウンド日は公園内のパブリック・ハウス&バーを食事候補にすれば、歩き終えたあとにもう一度車で店を探す負担を減らせる。営業は天候や季節で変わるため、当日の案内も確認しておく。
宿はユニオンデール。夜は地元のイタリア料理へ
拠点の候補はロングアイランド・マリオット。マンハッタンへの往復を毎日の予定にせず、コースと同じロングアイランド側で眠る組み方だ。レンタカーなら駐車条件を確認し、運転しない場合はゴルフバッグを積める送迎を手配する。早いスタートの日は朝食の営業時間と出発時刻を別々に考え、前夜に持ち出せる軽食も準備したい。
夕食はイーストメドウのBorrelli’sへ。1955年から続く家族経営のイタリア料理店で、ピッツァを囲んでその日の一打を話す夜が似合う。月曜は営業日の案内に含まれないため、ここでは木曜の夕食に置いた。大会会場の緊張感から離れ、地域の食卓へ戻る時間まで、この旅の楽しみにしたい。
ホテルのCrop & Kettleも食事候補になるが、レストランの夕食営業は公式案内では金・土曜。毎晩同じように利用できる前提にせず、金曜の夜に組み込む。地元食材を取り入れたアメリカ料理を選び、もう一日歩く予定がないなら、食事の時間を長めに取ってもいい。
大舞台を身近にするのは、無理のない余白
この旅は、プレー前日から始まっている。長距離便のあとにすぐ歩き出さず、一晩眠って体調を整える。ゴルフバッグの積み下ろしや空港への渋滞もあるので、最終日にブラックを置くより中日に置くほうが落ち着く。予約時刻は日本時間へ換算し、夏時間の切り替わりにも気をつけたい。空き枠を見つけたら、人数とコース名がBlackになっていることを確認する。
ブラックでは、有名な大会と同じ場所に立つこと以上に、難しいコースを最後まで歩き切る経験が残る。予約の仕組みを受け止め、日程に余白を作り、食事と休養を先に整える。その準備があれば、うまくいった一打も、砂から出すだけだった一打も、ニューヨークで過ごした自分の一日として持ち帰れる。