無料予選からオーガスタへ続く子どもの道
GOLF DNA編集部🇺🇸

3行まとめ
- 7〜15歳なら無料で地域予選に入り、勝ち上がればマスターズ直前のオーガスタへ。
- 2013年に19州から始まったドライブ・チップ・パットが全50州へ広がり、2026年に12回目の全国決勝を迎えた制度の骨格を追う。
- 大会を共同で立ち上げたのは、マスターズ・トーナメント財団、全米ゴルフ協会、PGAオブ・アメリカの3団体だ。
ゴルフがうまい子だけが、最初からオーガスタに招かれるわけではない。
7〜15歳なら参加は無料。まず地元でドライブ、チップ、パットを競い、勝ち上がればマスターズ直前のオーガスタ・ナショナルへ進める。ドライブ・チップ・パット(Drive, Chip & Putt)が2013年に作ったのは、全国大会そのものより、地域からオーガスタまで続く一本の道だった。
無料の入口とオーガスタの出口を同時に作った
大会を共同で立ち上げたのは、マスターズ・トーナメント財団、全米ゴルフ協会、PGAオブ・アメリカの3団体だ。創設時から対象は7〜15歳の男女で、4つの年齢区分に分け、参加費は無料。競うのはドライブ、チップ、パットという3つの技能だった。
公式に示された目的は、若い世代のゴルフへの関心と参加を促すこと。その入口を地域予選に置き、最後の到達点をオーガスタ・ナショナルにした。地域ではPGAのプロ、全米ゴルフ協会の職員やボランティアなどが運営を担い、全国決勝はマスターズ直前にオーガスタで行う。この分散した予選網と固定された決勝地の組み合わせが、制度の骨格になった。
最初は19州、2年後には全50州へ
2013年の初年度は、19州とワシントンD.C.で予選が組まれた。創設発表に出てくる「1万7000超」は、まず参加機会として示された数字だ。後年の公式振り返りでは「1万7000人超を集めた」とも記されているが、正確なユニーク参加者数までは公開資料から確定できない。
それでも、予選網が急速に広がった事実ははっきりしている。2013年には110のローカル会場と11の地域予選があり、2014年に初めてオーガスタで全国決勝を開催。2015年には予選が全50州へ広がり、全国決勝は80人となった。
つまり、最初から巨大な全国大会だったわけではない。地域の入口を増やしながら、オーガスタへつながる階段を全米へ伸ばしていった。
2026年も4段階、最後の80人がオーガスタへ
現在の仕組みは、ローカル、サブ地域、地域、全国の4段階だ。7〜15歳の男女を4年齢区分に分け、参加費は今も無料。ローカルから地域までは、ドライブ3球、チップ3球、パット3球の計9球で競う。
2026年4月の第12回全国決勝につながったシーズンでは、357のローカル予選、64のサブ地域予選、10の地域予選が組まれ、80人がオーガスタへ進んだ。次の2026〜27年シーズンも353のローカル、64のサブ地域、10の地域という全国網が用意され、全41のPGA地区が運営に関わる。
12回続いたが、12年連続ではない
2026年4月5日に行われた全国決勝は12回目だった。ただし「12年連続」と書くのは正しくない。2020年に予定されていた全国決勝は翌年へ延期され、そのシーズンの予選も中止された。
では、なぜ制度はここまで残ったのか。参加継続率やジュニア人口への効果を追った公開データはなく、どれか一つを成功要因と断定することはできない。
一方で、13年間ほぼ変わらず確認できる制度上の骨格はある。参加無料の入口、全国に分散した予選、3技能だけで進める分かりやすい競技、勝ち上がった先にあるオーガスタ、そして3団体による運営だ。大会はこの階段を広げながら、2026年まで維持されてきた。
「競技人口を増やした」とまでは言えない
全国化し、12回の全国決勝が行われたことは確認できる。ただ、それだけで「この大会がジュニアの競技人口を増やした」とは言えない。参加後に競技を続けた割合や、所得・地域ごとの参加機会の差を追った公開データも確認できていない。
だから、この制度の実績として確実に言えるのは、効果の大きさではなく、入口の広さと出口の明確さだ。
地元で無料の9球に挑み、勝ち上がればオーガスタへ行ける。2013年に作られたその道は、全50州へ伸び、2026年にもまだ残っている。
出典:USGA(2・3・4・5・6) / drivechipandputt.com(2・3・4)
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