5ドルで回ってもコースには差額が入る
GOLF DNA編集部🌐

3行まとめ
- ジュニア料金は1ラウンド5ドル以下。
- それでも提携コースが単純に5ドルだけを受け取る仕組みではない。
- コースが料金と利用時間を決め、ユース・オン・コースが個別の補助で差額を埋める。
「1ラウンド5ドル以下」と聞くと、ゴルフ場がジュニア向けに大幅値引きしているように見える。だが、ユース・オン・コース(Youth on Course)の仕組みは少し違う。
会員が払う金額と、コース側が受け取る金額を分けているからだ。
5ドルの裏側にある「差額補助」
現行制度では、提携コースがユース・オン・コース会員向けの料金を5ドル以下に設定し、利用できる時間帯も決める。ジュニアがその料金を払い、残りはユース・オン・コースがコースごとの補助額として負担する。
利用実績はオンラインで記録され、補助金は原則として月1回コースへ支払われる。
つまり、5ドルという価格を成立させているのは「コースが全部値引きする」方式ではない。若いゴルファーが払える価格と、コース側の受け取りを差額補助でつないでいる。
補助額はコースごとに設定される。今回の資料では、その平均額や分布までは確認できていないため、「1ラウンドにつき一律いくら補助」とは言えない。
6コースが2404コースになった
この仕組みは2006年、北カリフォルニアの6コースから始まった。
累計ラウンドは2020年に100万、2022年に200万、2024年1月に300万、同年12月に400万、2025年8月には500万へ到達した。
2025年9月時点では、米国、カナダ、オーストラリアの2300超のコースへ拡大していた。
その土台の一つが地域単位の連携だ。2024年の年次報告では59の地域ゴルフ協会がパートナーとなり、2143の提携コース、24万7098人の会員、104万6216ラウンドを記録している。
中央の団体だけで一気にコースを増やすのではなく、地域ゴルフ協会が各地のネットワークを広げ、ゴルフ場が5ドル以下の利用枠を用意し、民間資金が補助を支える形だ。
差額の原資も一つではない
補助を支えるのは、寄付や企業などの民間資金だ。
2024年の年次報告では、100 Hole Hikeによる資金が約29万ラウンド分、NBC Sports Nextの「Round Up」は累計300万ドルで40万ラウンド超のアクセスを支えたとされている。
2026年にはバンク・オブ・アメリカとの取り組みで15万人の新規参加を目標に掲げ、自治体コース網の拡大も打ち出した。ローリー・マキロイの50万ドル寄付は、7万ラウンド分を支える資金として発表されている。
企業や寄付者が資金を出し、地域ゴルフ協会が地域展開を支え、コースが利用枠を設ける。5ドルという価格は、この分業の一番表側に見えている数字だ。
2025年は152万ラウンド、2026年も拡大中
2025年には会員39万4000人、会員ラウンド152万、家計の節約額2290万ドルという実績が公式発表された。
さらに2026年9月13日に公式サイトを確認した時点では、会員45万6865人、提携2404コース、2026年のラウンド126万7861、累計687万326ラウンドと表示されていた。数字は更新される動的な表示なので、あくまでその時点のスナップショットだ。
少なくとも、5ドル以下の料金と差額補助を組み合わせる制度は2026年も続いており、コース網も2006年の6から2400超まで広がっている。
「安いから増えた」とまでは言えない
ここには一つ、分けて考えるべき点がある。
会員数や利用回数が増えたことは確認できる。しかし、5ドル以下という価格設定そのものが新規参加や継続をどれだけ増やしたのかを、比較対象を置いて因果的に示す独立研究は今回確認できていない。
だから「5ドルにしたからジュニアゴルフが増えた」とまでは言えない。
確認できるのは、もっと構造的な事実だ。ジュニアの支払額を5ドル以下に抑えながら、差額を団体の補助で埋め、地域協会・企業・寄付者・コースをつないだことで、同じ制度を多くの地域へ展開できる形を作った。
5ドルという値札の裏にあるのは、単なる安売りではない。若いゴルファーの支払額とコース側の受け取りを切り分け、その差額を社会側で分担する仕組みだ。
出典:youthoncourse.org(2・3・4・5・6・7) / fliphtml5.com