7グリーン要再建でも全体を再施工 グリーンブライアーが部分修理を捨てた理由
GOLF DNA編集部🇺🇸

3行まとめ
- 2016年6月の洪水で米男子ツアー大会まで中止になったグリーンブライアー。
- オールド・ホワイトは7グリーンの再建で済ませず、全グリーン・バンカー・フェアウェイを再施工した。
- なぜ「部分修理」を捨て、歴史写真までさかのって翌年の大会復帰へ進んだのか。
2016年6月23日、グリーンブライアーを襲った雨は5時間半で11インチに達した。スニード、グリーンブライアー、メドウズ、オールド・ホワイトの4コースが浸水し、ちょうど2週間後に予定されていた米男子ツアーのグリーンブライアー・クラシックは中止になった。
被害を受けたオールド・ホワイトで、全面再建が必要だったグリーンは7つだった。だが所有側は、旧来の11グリーンと新しい7グリーンを混在させる「部分修理」を望まなかった。選んだのは、全グリーン、全バンカー、全フェアウェイをまとめて再施工する方針だった。
ここで復旧は、壊れた場所を元に戻すだけの作業ではなくなった。設計を担ったキース・フォスターは1920〜30年代の写真や後年の航空写真を参照し、C・B・マクドナルドらの設計意図の復元を目指した。洪水で傷んだ箇所だけを見るのではなく、コース全体を過去の資料から組み直していった。
施工の範囲も広い。グリーンにはV-8ベントグラス、フェアウェイにはT-1ベントグラスを採用し、バンカーには約3000トンの新しい砂を投入。ティーもすべて設定し直した。発端は7グリーンの全面再建だったが、実際の仕事はグリーン、バンカー、フェアウェイ、ティーへ広がった。
その前には、洪水が残した瓦礫の撤去があった。数週間をかけ、外部業者のローダーやトラックも投入して片付けた後、本格的な施工へ移った。そして2017年7月6日、米男子ツアーの大会はオールド・ホワイトへ戻った。大会は7月9日まで行われ、ザンダー・シャウフェレが優勝した。
この復旧で目を引くのは、被災した箇所だけを直す発想を取らなかったことだ。全面再建が必要だったのは7グリーン。それでも選ばれたのは、全グリーン、全バンカー、全フェアウェイを再施工し、古い写真までたどって設計思想を復元する道だった。
2016年の洪水から翌年の大会復帰までを追うと、工程は「瓦礫撤去→部分補修」ではない。「瓦礫撤去→全面再施工→歴史資料を使った復元」だった。大会を失うほどの被害を受けたオールド・ホワイトは、7グリーンだけを新しくして戻るのではなく、コース全体を再施工して競技の舞台へ戻った。
出典:PGA TOUR(2) / greenbrier.com