メジャー王者なのに5年資格なし
GOLF DNA編集部🇺🇸

3行まとめ
- ソフィア・ポポフは2020年AIG女子オープンを制したが、LPGA非会員だったため当時のメジャー王者向け5年資格の対象外だった。
- 翌2021年に非会員メジャー王者の扱いが変わり、2026年現行規則では優勝シーズンの残りに加えて5連続シーズンの資格が明記されている。
- 2020年のLPGA優先資格では、メジャー王者を扱うカテゴリー3と、非会員の大会優勝者を扱うカテゴリー7が分かれていた。
2020年8月、ソフィア・ポポフはAIG女子オープンを制した。メジャー王者になったのだから、当然その後もしばらくLPGAツアーで戦える――そう思いたくなる。
ところが、当時の規則ではそうならなかった。理由は、ポポフが優勝時点でLPGAの正会員ではなかったからだ。
同じ「優勝」でも、入口が違った
2020年のLPGA優先資格では、メジャー王者を扱うカテゴリー3と、非会員の大会優勝者を扱うカテゴリー7が分かれていた。
カテゴリー3の5年資格は、LPGA会員としてメジャーを勝った選手が対象だった。ポポフはAIG女子オープン優勝時に非会員だったため、この5年枠には入らなかった。
つまり問題は、メジャーの格ではなく「優勝した時に会員だったか」という制度上の境界だった。
当時のコミッショナー、マイク・ワンはポポフの優勝後、シーズン途中で規則を変えることは公平ではないとして特例を設けなかった。「勝った後の月曜日に規則を変える」ことはしない、という趣旨を説明し、当時の扱いではポポフの資格は2021年末までになるとしていた。
翌年、非会員メジャー王者の扱いが変わった
一方でワンは、オフシーズンに非会員メジャー王者の扱いを見直す考えも示していた。
2021年2月の同時代報道では、LPGAは非会員がメジャーを勝った場合にも5年のツアー資格を与えるよう規則を変更したとされる。非会員優勝時の賞金・ポイントや翌週の出場資格についても扱いが改められた。
ここで注意したいのは、時系列と原因は同じではないことだ。
ポポフの事例の直後に見直しが予告され、その翌年に制度が変わったことは確認できる。ただ、今回確認できた資料には「ポポフだけが、あるいはポポフが直接の理由で規則を変えた」とLPGAが明記した一次資料はない。制度変更を彼女一人の出来事だけで説明することはできない。
2022年には感染症対応の特例も重なった
ポポフの実際の資格期間には、別の事情も加わった。
2022年のLPGA優先資格には、感染症流行期の特例として、2020年が直近の非会員優勝年だった選手を2022年まで対象に含める規定が記載された。
ただし、ポポフ自身は2021年のポイントランキングで55位に入り、2022年は上位80人のカテゴリーでも資格を確保していた。したがって「2020年の優勝だけで何年出られたか」と、実際にどの資格経路で出場できたかは分けて見る必要がある。
2026年は「非会員メジャー王者」に5年が明記されている
2026年6月版のLPGA優先資格では、境界は2020年当時と明確に変わっている。
2021年以降に非会員のままメジャーを勝った選手は、LPGA会員資格を受諾すれば、優勝したシーズンの残りに加えて5シーズン連続の資格対象となる。
さらに、2024年以降の一般の公式戦を非会員として勝った選手は、優勝シーズンの残りに加えて2シーズン連続。現行制度でもメジャー優勝は別格だが、その恩恵を受けるために「優勝時点ですでに会員であること」は求められなくなった。
2020年のポポフは、メジャーを勝ったのに5年資格がなかった。能力や大会の格が足りなかったのではない。当時の制度が「会員のメジャー王者」と「非会員の優勝者」を別の入口に置いていたからだ。
その境界は翌年から変わり、2026年には非会員のメジャー王者にも5年資格が明文化されている。ポポフの優勝は、同じメジャー王者でも会員資格ひとつで将来の扱いが変わっていた時代を、分かりやすく映す例の一つになった。
出典:LPGA(2・3・4) / Sky Sports Golf / golfchannel.com
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