米174コースでエアレーション平均6回 最多は小径の無芯タイン、「大穴を年6回」ではない
GOLF DNA編集部🇺🇸

3行まとめ
- 米国40州174コースの2025年調査では、グリーンのエアレーションは平均6イベントだった。
- ただし1回の中身は小径・大径、無芯・中空、深根用までさまざま。
- 小径を複数回使う研究も踏まえ、回数だけではプレーへの影響を判断できない理由を整理する。
米国のゴルフ場では、グリーンのエアレーションを年に何回しているのか。USGAグリーンセクションが2025年の実運用を調べたところ、40州174コースの平均は6イベントだった。最少は1回、最多側は13回以上。69%は2〜7回に収まっている。
数字だけを見ると「平均で年6回も大きな穴を開けているのか」と感じる。しかし、この読み方は調査の中身と合わない。ここで数えた1イベントは、同じ大径のコア抜きを1回ずつ数えたものではないからだ。
「1回」の中に、まったく違う作業が入っている
調査では、マイクロタイン、0.5インチ未満と以上の無芯タイン、0.5インチ未満と以上の中空タイン、6インチ以上の深根用タインなどを分けて集計している。
最も多く使われていたのは、直径0.5インチ未満の無芯タインで343イベント。さらに回答施設の70.1%は、少なくとも1つのイベントで複数の器具を併用していた。
つまり「エアレーション1回」という単位だけでは、穴の大きさも、土を抜く作業かどうかも、1種類の器具だけを使ったのかも分からない。年間回数が同じコースでも、ゴルファーが受ける印象は同じとは限らない。
砂基盤は5.8回、在来土壌は7.2回。ただし原因までは決められない
調査では、砂基盤のグリーンが平均5.8イベント、在来土壌のグリーンが7.2イベントだった。
ここにも回数差はあるが、「在来土壌だからエアレーションが増える」と単純には結べない。この調査は無作為抽出ではなく、USGAグリーンセクションのネットワークや読者を通じて集まった174コースの回答だ。土壌、芝種、気候、施設ごとの管理方針がそれぞれ何割ずつ回数差を生んだのかまでは分解されていない。
したがって、1回から13回以上という大きな幅を一つの原因で説明することはできない。確認できるのは、施設ごとに回数が大きく異なり、その「1回」の作業内容自体もかなり違うということだ。
小さい穴を複数回という選択肢
2026年に公表された査読研究は、この「回数だけでは分からない」をさらに具体的にしている。
研究は2023〜2024年、米国ワシントン州のチェンバーズベイとタコマ・カントリー&ゴルフクラブで実施された。直径0.375インチの小径タインと0.625インチのタインを使い、深さ3インチ、2インチ間隔で1〜3回通す条件を比較した。2回目、3回目は方向を30〜40度ずらしている。
その結果、0.375インチの小径タインを2〜3回通す方法でも、0.625インチを1回通す方法と同程度の砂投入量や表層有機物の抑制を得られる条件があった。小さい穴を複数回使うことで、1回の大きな穴とは違う組み方ができるという結果だ。
回復について著者が記録した観察では、0.375インチは春が約1週、秋が約2週、0.625インチは春が約2週、秋が約3週だった。ただし、これは回復日数を精密に追跡するための比較試験ではなく、天候にも左右される観察値だ。「小径なら必ず1週間早く戻る」と一般化できる数字ではない。
ゴルファーが見るべきは「年何回」だけではない
この2つの資料を合わせると、平均6イベントという数字の意味が変わる。
大径の中空タインを6回行うコースと、小径の無芯タインや複数器具を組み合わせて6イベント行うコースを、同じ「年6回」でくくることはできない。プレーへの影響を知りたいなら、回数だけでなく、タインの径、無芯か中空か、深さ、複数パスかを見る必要がある。
なお、174コースの数字は米国の非無作為標本であり、日本のゴルフ場の平均回数へそのまま置き換えることはできない。今回の企画では、日本で同等規模の一次調査も確認されていない。
「エアレーション平均6回」は、グリーンが年6回同じ状態になるという意味ではない。むしろ今回の調査が見せたのは、同じ1回という数え方の中に、かなり違う作業が混在しているという実態だった。