ドッグレッグで「その人の3ホール平均より攻め側」の判断は0.51打悪いスコアと関連 81人・243判断の実地研究
GOLF DNA編集部🇨🇳

3行まとめ
- 男子大学生81人が3つのドッグレッグで下した243のルート選択を分析すると、各選手の3ホールでの平均的な攻め傾向より攻め側だった判断は、1ホールあたり0.51打悪いスコアと関連した。
- 一方、3ホールを通じて攻める割合が高い選手ほど悪いとは言えず、球筋・着弾も未記録。
- 研究が示したのは「攻める性格」ではなく、同一人物内の判断差と結果の関係だ。
ドッグレッグのティーに立つと、「コーナーを越えて距離を稼ぐか」「フェアウェイの曲がりに沿って置くか」という判断が生まれる。ここで面白いのは、攻める人と守る人を比べることではない。同じゴルファーの判断が、研究対象となった3ホールでの自分の平均より攻め側だった時に何が起きたかだ。
2026年6月に公開された実地研究では、男子大学生のアマチュア81人が、同じコースの3つのドッグレッグで計243回の判断を行った。平均ハンディキャップは25.99。各ティーショットの前に、コーナー越えを狙う「攻め」と、フェアウェイの曲がりに沿う「守り」のどちらを選ぶかを申告した。
結果は、守りが158回、攻めが85回。全体では65%が守り、35%が攻めだった。
「攻める人」より「同じ人の中で攻め側に振れた判断」に差が出た
研究の中心は、単純な攻め・守りの平均比較ではない。統計分析で、「その人が3ホールでどれくらい攻めを選んだか」という選手間の違いと、「その選手自身の3ホール平均から、そのホールの判断がどちらへずれたか」という同一人物内の違いを分けて見ている。
その結果、同じゴルファーの判断が、自分の3ホール平均より攻め側にずれた時、スコアは1ホールあたり0.51打悪いことと関連した。95%信用区間は0.11〜0.90打で、ハンディキャップ、ドライバー飛距離、ホールの違いを考慮した後も、この関係は残った。
一方で、「3ホールを通じて攻める割合が高い選手ほどスコアが悪いのか」を見ると、差の推定は0.26打、95%信用区間はマイナス0.29〜プラス0.80打。こちらは方向をはっきり決められる結果ではなかった。
つまり、この研究を「攻める性格のゴルファーは損をする」と読むのは違う。選手間の攻め傾向は3ホールの判断だけから作った粗い指標で、普段の恒常的な性格や戦略傾向を直接測ったものではない。差が見えたのは、同じ人の3ホール内で、判断がその人の平均より攻め側だった時だった。
3ホールすべてで、攻めと守りを事前に申告
対象になったのは3つのドッグレッグだ。11番パー4では守り43回・攻め38回、18番パー4では55回・26回、6番パー5では60回・21回だった。
重要なのは、結果を見た後に「これは攻めだった」と分類したのではない点だ。選手はショットを打つ前にルートを申告している。そのため、少なくとも「どちらを狙うつもりだったか」という判断そのものは、ショット結果と切り分けて記録されている。
では、0.51打という数字をそのまま「攻めれば0.5打損する」と読めるのか。ここは研究自身が線を引いている。
「刻めば0.5打得」までは言えない
この研究では、実際のティーショットの球筋や着弾地点を記録していない。攻めるルートを選んだこと自体が不利だったのか、攻めたことでショット実行の難度が上がりミスが増えたのか、その二つを分離できない。
さらに、単一コースの3ホールを対象にした観察研究で、別の状況要因が判断とスコアの両方に影響した可能性も残る。研究者も、攻める判断と悪い結果の「関連」は確認できても、攻める判断が悪化を「引き起こした」とは証明していない。
対象も男子大学生81人に限られ、平均ハンディキャップは約26だった。上級者、女性、異なる年代、別のコースでも同じ大きさの差が出るかは、この研究だけでは分からない。
コースマネジメントを「性格」ではなく「その場の判断」で見る
それでも、この研究が面白いのは、コースマネジメントを「攻める人」「守る人」という固定した性格の話から外した点にある。
3ホールを通じた攻め傾向の選手間差ははっきりしなかった。一方、同じ人の中で判断がその人の3ホール平均より攻め側へ動いた時には、スコア差との関係が見えた。
だから結論は「攻めるな」でも「刻めば0.5打得」でもない。81人・243判断の範囲で見えたのは、粗い「プレーヤータイプ」の分類より、同一人物内のその場の判断差のほうがスコアとの関係を捉えやすかったということだ。
次に知りたいのは、その判断が実際の球筋、着弾、次打の難しさをどう変えたかだ。そこまで追えれば、「判断の問題」なのか「実行の問題」なのかを、ようやく分けて考えられる。