26種のバンカー砂で、丸く均一な粒は貫入抵抗が小さかった 「目玉になりにくさ」を粒径だけで決められない理由
GOLF DNA編集部🇺🇸

3行まとめ
- 米国の商用バンカー砂など26種を比較した研究では、幅広い粒径分布で角ばった粒ほど表面が締まり、丸く均一な粒ほど改良ペネトロメーターの貫入抵抗が小さかった。
- ただし測ったのは乾燥砂7.6cmの実験室内の代理指標で、実球の目玉発生率ではない。
- 0.25〜1.0mmという粒径だけでは選べず、粒形・粒径分布・現場条件を組み合わせて判断する必要がある。
バンカー砂は、粒が細かいか粗いかだけで「目玉になりやすさ」が決まる――そう考えると、26種類の砂を比べた試験は少し違う絵を見せる。
米国各地の商用バンカー砂など26材料を調べた2008年の研究と、その結果を整理した2018年の米国ゴルフ協会(USGA)の研究更新では、幅広い粒径分布を持ち、粒が角ばった砂ほど表面が締まりやすかった。一方、粒が丸く、粒径がそろった砂は、表面への貫入抵抗が小さかった。
ただし、ここでいう「締まり」は、実際のショットでボールが何回目玉になったかを数えたものではない。乾燥した砂を実験室で詰め、ゴルフボールを取り付けた装置を押し込んで測った代理指標だ。
26種類の砂を、粒径・形・貫入抵抗で比べた
研究では26材料を対象に、まず粒径分布を測った。60グラムの試料を使い、3反復でピペット法と乾式ふるい分けを実施している。
粒の形は、角ばり方と球形度を目視で分類した。粒径分布は平均的な粒径だけでなく、D60/D10で表す均等係数やD90/D10で表す粒度指標なども使って評価した。さらに20グラムの乾燥砂で安息角も測り、こちらも3反復した。
表面の締まり具合には、改良したポケットペネトロメーターを使用した。硬い木製容器に深さ7.6cmの砂を入れ、装置に取り付けた規格ゴルフボールを半分埋まるまで押し込む。測定は5反復で、毎回表面をならして詰め直した。
つまり、実際のショットを落下させて「目玉になった・ならなかった」を数えた実地試験ではない。砂へどれだけ押し込みにくいかを、一定条件で比較した試験だった。
締まりやすかったのは「角ばり」だけでなく「粒径の幅」との組み合わせ
結果の方向ははっきりしている。
幅広い粒径分布を持ち、角ばった粒子の砂は、表面が最も締まりやすい側に出た。反対に、丸く、粒径が均一な砂は、表面への貫入抵抗が小さかった。
ここで「角ばった砂なら何でも締まる」と読むのは早い。研究は、粒形だけを単独の合否基準にしていない。粒径分布との組み合わせで傾向が見えており、USGAの実務ガイドも粒径、角張度、球形度を一緒に見る考え方を取っている。
実際、個別指標と貫入抵抗の単純な関係は強くなかった。粒度指標の決定係数R²は0.0715、均等係数は0.0051、安息角でも0.2566だった。どれか一つの数値だけで表面硬さを十分に説明できる結果ではない。
そのため、「角ばっているが粒径分布が狭い砂ならどうなるか」という問いにも、角張度だけから答えることはできない。この研究が示したのは、角ばりと粒径の幅を含む複数の物性を組み合わせて見る必要がある、というところまでだ。
「10種類が目玉になりにくい」は、原著ではもう少し複雑
2018年のUSGAの研究更新では、評価材料のうち10種類について、締まった表面で埋まり球が起きにくい側の砂として簡潔に紹介している。
ただ、2008年の原著の区分はもっと細かい。
原著では、貫入抵抗が1.8kg/cm²を超える材料を乾燥砂として許容できる硬さの範囲とし、その条件に入る材料が10種類あった。一方、埋まり球の傾向の区分では、2.4超が「非常に低い」、2.2〜2.4が「わずか」、1.8〜2.2が「中程度」、1.8未満が「高い」とされている。
この10種類のうち6種類は1.8〜2.2の「中程度」の区分に入る。したがって、「10種類すべてが、わずかしか目玉にならない砂だった」と言い換えるのは正確ではない。
さらに原著本文と表の間には、2.2を超えた材料数について内部不一致もある。そのため、2.2超の正確な本数を一つに決めて記事の結論へ使うべきではない。
重要なのは、10という数字より、同じ貫入抵抗でも原著では段階を分けていたことだ。
「0.25〜1.0mmなら良い砂」でもない
USGAの研究更新では、伝統的に良好とされてきたバンカー砂の粒径として、おおむね0.25〜1.0mmが挙げられている。
しかし、この範囲は単独の合否基準ではない。
同じ粒径帯でも、粒が丸いか角ばっているか、粒径がそろっているか幅があるかで、表面の締まり方は変わり得る。USGAの選定ガイドも、非常に角ばった〜やや角ばった粒で、球形度が低〜中程度の砂を望ましい方向として挙げ、丸く球形度の高い粒は軟らかい状態や埋まり球につながりやすいと整理している。
それでも、粒形だけで選定を終えるわけではない。ペネトロメーターの数値は候補砂を相対比較する材料にはなるが、現場のプレー性をそのまま予測する力には限界があり、試験所によって手順差もある。粒径分布、粒形、排水性や浸透性などと組み合わせて判断する必要がある。
実コースでは、水分も砂の深さも同じではない
26種類の比較試験は、乾燥砂を硬い容器に深さ7.6cmで入れた実験室条件だった。
実際のバンカーでは、水分、砂の深さ、排水、斜面、周囲からの拘束条件などが変わる。研究者自身も、実験室で詰めた砂と現場の状態は同じではないと注意している。
何より、この試験では実際のボールをショットで落とし、目玉の発生率を直接測っていない。
だから「丸い砂ほど必ず目玉になる」と因果関係まで広げることはできない。言えるのは、一定の乾燥条件で、丸く均一な粒の砂は貫入抵抗が小さく、幅広い粒径分布と角ばった粒を持つ砂は締まりやすい側に出たこと。そして、どの単一指標も表面硬さを十分には説明しなかったことだ。
バンカー砂を選ぶとき、問いは「何ミリの砂か」だけでは足りない。「粒はどんな形で、粒径にどれくらい幅があり、その砂が実際のコース条件でどう振る舞うか」まで見る必要がある。
26種類の試験が示したのは、目玉になりにくい砂の万能な数値ではなく、砂のプレー性を一つの数字で決められない理由だった。
出典:USGA(2) / usgatero.msu.edu