アイアン6ミリで姿勢差を察知した上級者 50人実験で全体の「気づく境目」は13ミリ
GOLF DNA編集部🌐

3行まとめ
- 50人が標準37インチの7番アイアンと±2・3・6・13ミリの条件をアドレスだけで比べた2020年の実験では、全体でクラブ長の違いを知覚した最小差は13ミリ。
- ハンデ5.4以下の8人は6ミリで姿勢変化を察知した一方、ハンデ12.5以上の層は13ミリでも姿勢差の境目に届かなかった。
- 実打はしておらず、感じる差と性能差は別問題だ。
アイアンの長さが6ミリ変わったとき、その違いをゴルファーは感じ取れるのか。2020年に公表された50人の実験では、全体で「クラブの長さが違う」と認識できた最小の差は13ミリだった。一方、ハンデ5.4以下の上級者8人は、6ミリの差でアドレス姿勢の変化を察知した。
同じ6ミリでも、全員に同じように見えているわけではない。
50人が比べたのは±2、3、6、13ミリ
実験で使われた基準は37インチ(94.0センチ)の7番アイアン。そこから長さを短く、または長くした±2、3、6、13ミリの条件を用意し、基準のクラブと比べた。
参加者は50人で、男性48人、女性2人。ハンデ5.4以下が8人、5.5〜12.4が10人、12.5〜20.4が18人、20.5以上が14人だった。
比較したのはアドレス時の知覚だけだ。実際に球を打つことはなく、スイング、ハーフスイング、ワッグルも行わず、基準クラブと試験クラブをランダムな順番で構えて「長さが違うか」「姿勢が違うか」を答えた。
全体では13ミリで68%が長さの違いを認識
50人全体で見ると、クラブ長の違いについて研究上の「最小可知差」に達したのは13ミリだった。13ミリ条件では68%が違いを認識した。
つまり、この実験の全体平均では2、3、6ミリではなく、13ミリが「違う」と知覚できる境目になった。
ところが、アドレス姿勢の変化に目を向けると、ハンデによる差が出た。
ハンデ5.4以下の8人は6ミリで姿勢差を察知
ハンデ5.4以下の8人は、6ミリの長さ差でアドレス姿勢の変化を最小可知差として認識した。
一方、ハンデ5.5〜12.4の層は13ミリ条件でも反応率が50%で、結果は明確な境目とはならなかった。さらにハンデ12.5〜20.4と20.5以上の層は、試験した最大の13ミリでも姿勢変化を最小可知差として認識できなかった。
細かな長さの違いに対する感度は、少なくともこの50人では一様ではなかった。
気づく手掛かりはクラブヘッド位置が38%
参加者が違いを判断した手掛かりとして最も多く挙げたのは、構えたときのクラブヘッドとスタンス中心との距離で38%。体幹の前傾が24%、グリップ位置が24%だった。
これは参加者自身が報告した「気づいた手掛かり」であり、6ミリの違いを察知できた原因を一つに決める結果ではない。それでも、上級者が見ていたのは単純なクラブの全長だけではなく、構えたときの身体とクラブの位置関係だったことが分かる。
「6ミリを感じる」と「6ミリで性能が変わる」は別
この実験で測ったのは、あくまでアドレス時の知覚だ。実際のショット、弾道、スコア、傷害リスクは測っていない。
したがって、上級者が6ミリの姿勢差を感じ取れたことから「6ミリ変えれば弾道が良くなる」「スコアが良くなる」とは言えない。逆に、高ハンデ層が13ミリでも姿勢差を明確に知覚できなかったからといって、長さ調整が性能に影響しないとも言えない。
この研究が示したのは、クラブ長の調整幅には「本人が気づける差」と「実際の打球性能を変える差」という別の問いがあることだ。50人全体で長さの違いを知覚した境目は13ミリだったが、ハンデ5.4以下の8人は6ミリで姿勢の違いを察知した。
細かな長さ調整を考えるなら、「違いを感じたか」と「球がどう変わったか」は分けて確かめる必要がある。少なくともこの実験が答えたのは、その前半までだ。
出典:mdpi.com