20万ポンド超の砂が積もった「湖上グリーン」 コー・ダリーン14番を約2マイル曳航して初の大改修
GOLF DNA編集部🇺🇸

3行まとめ
- 米アイダホ州のコー・ダリーン・リゾート14番は、湖に浮かぶ可動式グリーン。
- 1991年の建造から約27年、トップドレッシングで推定20万ポンド超の砂が積み上がり、2018〜19年に初の大改修へ。
- 浮体、排水、灌漑、芝床をどう再構築したのか。
米アイダホ州、コー・ダリーン湖に浮かぶ14番パー3のグリーンは、見た目だけなら観光名物だ。だが、30年近く湖上で使い続けるには、普通のグリーンとは違う問題が起きる。
その一つが「重くなる」ことだった。
1991年に造られたフローティンググリーンは、日々の芝管理でトップドレッシングの砂が積み重なった。2018年の改修準備時、運営側は長年に追加された砂を推定20万ポンド超と見積もり、パッティング面から約5インチを取り除く計画を立てた。
約27年で初めて、定位置を離れた
2018年10月、グリーンは建造以来初となる大規模メンテナンスのため、定位置を離れて約2マイル先の施工施設へ曳航された。
単に芝を張り替える改修ではない。
USGAグリーンセクションの技術資料によると、浮体は約1万5000平方フィート。改修後の構造物は約470万ポンド級とされる。工事では鋼・コンクリートの骨格まで大きく解体し、古いフォームを交換・追加したうえで、排水用ライナー、バンカー部分のジオテキスタイル、灌漑設備、土壌、芝を再構築した。
つまり、水に浮かぶ巨大な土木構造物の上に、通常のパッティンググリーンをもう一度組み直したわけだ。
排水は湖へそのまま落とさない
水上にあるからといって、グリーン内部の水をそのまま湖へ流す設計ではない。
改修後は、内部排水を2基の保持タンクへ集め、4インチの可撓ホースを通じて陸上へ自動で送る仕組みが採用された。芝を維持するための灌漑設備と、グリーン内部から出る水を処理する経路を、浮体の中に組み込んでいる。
この部分を見ると、14番が単なる「浮く島」ではなく、排水・灌漑まで抱えた独立した管理設備であることが分かる。
改修後は、水面から約6インチ高くなった
2018年の報道では、翌2019年3月1日までに元の位置へ戻す計画だった。USGAは、翌春のゴルフシーズン前に再び湖上へ戻り、供用されたと記録している。
改修後、グリーンは以前より水面上の位置が約6インチ高くなった。
一方で、今回確認できた資料からは一般営業を再開した正確な日付や、改修総工費までは確認できない。重量も、USGA技術記事の約470万ポンド、運営公式の約2200トンという二つの概数があり、差の理由や測定時点は公開資料だけでは確定できない。
数字を無理に一つへそろえるより、「数百万ポンド級の浮体を丸ごと再構築した」という規模感を押さえる方が実態に近い。
2026年も、14番は湖の上で動いている
大改修から7年以上たった2026年9月、リゾート公式サイトでは14番は現在も可動式グリーンとして営業している。
運営公式は、グリーンを水中ケーブルで毎日位置変更し、90〜220ヤードの範囲で使うと案内している。日ごとの具体的な移動量までは公開されていないが、「動かせる湖上グリーン」という基本構造は維持されている。
1991年から使い続ける間、トップドレッシングで加えた砂そのものが20万ポンド超の追加重量になった。そこで2018〜19年には、砂を削るだけでなく、浮体、フォーム、排水、灌漑、土壌、芝まで造り直した。
コー・ダリーンの14番が特殊なのは、グリーンが浮いていることだけではない。普通のグリーン品質を保つための管理設備ごと、水の上で30年以上運用していることにある。
出典:cdapress.com / USGA / cdaresort.com