世界2000位外から2戦連続優勝へ ブレンドン・トッド、47戦で予選通過6回からの再建と2026年
GOLF DNA編集部🇺🇸

3行まとめ
- 2015年にフルスイングを崩し、2015-16年は29戦25回予選落ち。
- 世界ランキング2000位外、直近47戦で予選通過6回まで沈んだブレンドン・トッドは、2019年にツアーカードを取り戻し2戦連続優勝した。
- 再建の中身と、その後2026年までの成績を追う。
47戦で、予選通過は6回。世界ランキングは2000位の外側。それでも同じ選手が2019年11月、米男子ツアーで2戦連続優勝した。
ブレンドン・トッドの復活は、結果だけを並べると劇的すぎるほどだ。だが、その間にあったのは「ある練習をしたら突然治った」という一直線の物語ではない。
2015年にフルスイングを崩してから、スイングそのもの、体の感覚、心理面を組み直し、出場資格を取り戻し、ようやく勝利へ戻った。そして2026年まで追うと、その復活が同じ強さのまま続いたわけでもないことが見えてくる。
2015年、4番アイアンの大ミスから崩れ始めた
米男子ツアーの回顧記事が出発点として挙げるのは、2015年9月19日のBMW選手権だ。トッドは4番アイアンで大きなミスをし、そこからフルスイングの問題が深くなっていった。
翌2015-16年シーズンは29試合に出て、予選落ちが25回。その中には15試合連続の予選落ちも含まれていた。
落ち込みは一時的ではなかった。世界ランキングは2000位圏外まで下がり、2019年に入るまでの直近47試合で予選を通ったのは6回だけだった。
本人や米男子ツアーの記事は、この状態を「フルスイングのイップス」と表現している。ただし、今回確認できた一次性の資料には医学的な診断名、診断者、診断基準までは示されていない。競技者本人が使った表現と、医療上の診断を同じものとして扱うべきではない。
再建は、ひとつの処方箋ではなかった
トッドの再建過程には複数の取り組みが出てくる。
ブラッドリー・ヒューズとはスイングを学び直し、足、手、体幹の感覚を使うドリルに取り組んだ。心理面ではウォード・ジャービスと作業し、元メジャーリーガーのリック・アンキールがイップス体験を記した本にも触れている。
これらは本人や関係者が振り返った再建の要素であって、どれか一つが復活を直接生んだと証明されたものではない。
それでも競技成績には、段階的な変化が現れた。ヒューズとの作業を始めた後は11試合で8回予選を通過。コーンフェリーツアー・ファイナルズのネーションワイド・チルドレンズ・ホスピタル選手権で2位に入り、米男子ツアーの出場資格を取り戻した。
世界2000位外から、まず「勝つ」より先に「試合へ戻る」段階を踏んでいたことになる。
最終日62で5年ぶりの優勝、その次の試合も勝った
転機が結果として表れたのが2019年11月だった。
バミューダ選手権では最終日に62をマークして優勝。トッドにとって2014年以来の米男子ツアー勝利だった。
そして続くマヤコバ・ゴルフ・クラシックでも優勝し、2戦連続勝利を達成した。これでフェデックスカップ首位に浮上し、マスターズの出場権も得た。
直近47試合で6回しか予選を通れなかった選手が、ツアーカードを取り戻した後に2大会続けて勝つ。2015年から積み重なった再建が、最も派手な形で数字になった瞬間だった。
2連勝後も数年は競争力を維持した
では、この復活は2019年の2勝だけだったのか。
2019-20年シーズンはツアー選手権まで進み、フェデックスカップ20位で終えた。
2023年にはトップ10が7回で、フェデックスカップ47位。2024年も28試合に出場して22回予選を通過し、トップ5が1回、トップ10が2回。最高成績はバレロ・テキサス・オープンの5位で、フェデックスカップは66位だった。
つまり、2019年の連勝後すぐに競争の中心から消えたわけではない。勝利こそ増えなかったが、数年にわたり米男子ツアーで成績を残していた。
ただし2025〜2026年は、再び成績が大きく落ちた
現在地まで含めると、物語はそこで終わらない。
2025年の米男子ツアーは6試合に出場し、予選通過は1回。フェデックスカップ226位だった。
2026年も9月23日の確認時点で、米男子ツアーは7試合で予選通過1回、フェデックスカップ217位。9月20日終了のビルトモア・チャンピオンシップ・アッシュビルでも予選落ちとなり、記録上の最高成績はワンフライト・マートルビーチ・クラシックの67位タイだった。
さらに2026年はコーンフェリーツアーにも4試合出場し、予選通過は2回。最高成績はバハマ・グレート・アバコ・クラシックの51位タイだった。
2026年時点の米男子ツアー通算勝利は3勝で、最後の優勝は2019年のマヤコバのままだ。
だから、ブレンドン・トッドの復活を「イップスを克服して、そのまま元通りになった」とまとめると大事な部分が抜ける。
2015年から成績が崩れ、世界2000位外まで落ちた。スイング、感覚、心理面を複数の方向から組み直し、まず予選通過を増やし、出場資格を回復し、その先で2戦連続優勝まで戻った。さらに2020年、2023年、2024年にも競争力を示した。
一方で、2025〜2026年には再び出場数も成績も落ちている。
このキャリアの面白さは、「完全復活」という一言ではなく、競技を壊した後にどう段階を踏んで戻り、その状態が時間とともにどう変化したかにある。47戦で6回しか予選を通れなかった時期から2戦連続優勝まで戻った事実と、そこから先の7年間。その両方を見て初めて、トッドの復活の輪郭が見えてくる。
関連記事
世界1位アマがランキング圏外へ カントレーをつないだ「10試合」
3行まとめ
- 世界アマ1位を計55週守ったパトリック・カントレーは、腰の疲労骨折で長期離脱し、2017年の復帰時には世界ランキング圏外だった。
- PGA TOURの医療特例で与えられたのは10試合。
- 復帰2戦目のバルスパー選手権で単独2位、68万400ドルを稼ぎ、資格条件を一気に満たした。