20点で予選会を飛ばす LPGAが作った「アマ実績から直接ツアーへ」の道
GOLF DNA編集部🌐

3行まとめ
- LPGAのLEAPは、トップアマが当年+過去3年の実績で20点に達すれば、プロ転向後にQ-Series最終予選を経ずLPGA Priority Listへ入れる制度。
- 第1号ロッティ・ウォードは2025年エビアンで20点に到達し、2日後にプロ転向。
- LPGA会員としてのプロ初戦を優勝した。
「プロになる前の実績」は、プロになった瞬間にいったんリセットされる。そんな感覚を変えたのが、LPGAが2025年から始めたLEAP(LPGA Elite Amateur Pathway)だ。
仕組みはかなり大胆だ。トップアマがアマチュアのまま実績を積み、それを点数に換算。20点へ到達すれば、プロ転向後にLPGA会員資格へ直結するルートが開く。
アマの実績が、そのまま20点になる
LEAPは2024年11月に発表され、2025年からスタートした。対象になるのは当年と過去3暦年の実績だ。
たとえば世界アマランキング1位は3点、マコーマック・メダルは4点、カーティスカップ出場は2点。LPGAの通常大会でトップ10なら2点、メジャーでトップ25に入っても2点が付く。
つまり「アマ大会で強い」だけではなく、世界ランキング、代表戦、LPGA本戦での結果まで一つの点数表へ入る。20点は、複数の場所でトップレベルの結果を積み上げた選手だけが届く線として設計されている。
ただし、20という数字が科学的に最適だと証明されたわけではない。LPGAが制度上の資格ラインとして置いた数字だ。
20点でも、自動でプロになるわけではない
ここが面白い。
20点へ達しても、その瞬間にLPGA選手になるわけではない。本人がプロへ転向し、LPGAの他の資格条件を満たし、会員資格を受け入れて初めてツアーの優先順位表へ入る。
2026年のLPGA Priority Listでは、LEAPはカテゴリー13。前年Q-Series最終予選の上位25人が入るカテゴリー15より上に置かれている。
つまりLEAPで条件を満たした選手は、Q-Series最終予選を通る通常ルートとは別に、直接LPGAの優先順位へ入れる。短縮されるのは「ゴルフの修業」ではなく、「ツアーカードを取りに行く手続き」だ。
第一号は、エビアンで線を越えた
この制度の第1号になったのが、イングランドのロッティ・ウォードだった。
2025年7月13日、アムンディ・エビアン選手権で3位タイ。これでLEAPの20点に到達した。2日後の7月15日にプロ転向し、LPGA会員資格を受諾する。
そして7月27日。LPGA会員としてのプロ初戦、ISPS HANDA女子スコティッシュ・オープンでいきなり優勝した。
出来すぎたスタートだ。
ただし、初戦優勝は「制度の効果」ではない
ここは分けて考えたい。
LEAPがウォードを強くしたわけではない。そもそも20点へ届くほど強かった選手に、従来より短い資格取得ルートを与えた制度だからだ。
ウォードの初戦優勝は「優秀なアマがプロでも通用した」という一例ではある。しかし、LEAPを使えば勝てる、あるいはLEAPが選手を育てる、とまでは言えない。
制度の役割は育成というより、すでに結果を出している選手を資格取得の遠回りから外すことにある。
2人目が出て、「特例」ではなくなってきた
2026年にはキアラ・ロメロが23点へ到達し、LEAP経由でLPGA会員資格の対象となった。
9月25日時点のLPGA公式ページでは、まだ20点に届いていない選手のトップがファラ・オキーフの18点。マリア・ホセ・マリンが17点、アスタリスク・タリーが14点、パウラ・マルティン・サンペドロが13点で続く。
第1号だけなら「ウォードのためにうまく機能した制度」にも見えた。だが2人目が出て、さらに18点、17点の選手が追っている。LEAPは少しずつ、女子ゴルフのプロ入りルートの一つとして輪郭を持ち始めている。
面白いのは、プロになる時期の考え方まで変わることだ。
先にプロになって資格を取りに行くのではなく、アマチュアのまま実績を積み、「もうLPGAへ行ける」という状態を作ってからプロになる。
20点は単なる数字ではない。アマとプロの間にあった順番そのものを、少し入れ替えた数字なのだ。
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