レキシー・トンプソンの2打リードが4罰打で消えた 発端は視聴者のメール
GOLF DNA編集部🇺🇸
3行まとめ
- 2017年のANAインスピレーションで、レキシー・トンプソンは視聴者のメールをきっかけに前日の違反が判明し、4罰打を受けた。
- 誤所からのプレーに2罰打、知らなかった罰をスコアカードに含めなかったことに追加2罰打だった。
- その年から翌年にかけ、映像判定の精度、視聴者通報への対応、追加罰の扱いが見直された。
2017年4月2日、女子メジャーのANAインスピレーション最終日。レキシー・トンプソンは12番を終えて2打リードしていた。ところが13番へ向かう間に、競技委員から4罰打を告げられる。次のショットを打つ前に、首位から2打ビハインドへ変わった。
発端はテレビ視聴者のメールだった。しかも、指摘されたのはその日のプレーではなく、前日の17番グリーンでの球の戻し方だった。
球を戻した場所と、提出済みのカード
トンプソンは第3ラウンドの17番で球をマークして拾い上げ、元の場所とは少し違う位置に戻して打っていた。本人を含め、その時点では誤所からのプレーと気づかず、ラウンド後にスコアカードを提出した。
翌日、視聴者から届いたメールを受け、米国女子ツアーの競技委員が映像を確認した。当時の規則では、誤所からのプレーに2罰打。さらに、その罰を含めずにカードを提出したことに追加2罰打。合計が4罰打になった。USGAも翌日の解説で、当時の規則に沿った裁定だったと説明している。
トンプソンはその後も追い上げ、ソ・ヨンリュとのプレーオフに進んだが、1ホール目で敗れた。4罰打は、単にその場のスコアを書き換えただけではない。前日のプレーと、すでに提出したカードが、最終日の優勝争いの途中で一緒に問われたのだ。
映像で分かることを、すべて罰にしない
この大会以前から、USGAとR&Aは映像証拠の扱いを議論していた。トンプソンの一件だけで、制度が一から変わったわけではない。
2017年4月25日、両団体は映像判定に二つの基準を即時導入した。肉眼では合理的に見えない事実を、映像だけで違反の根拠にしないこと。そして、球を戻す場所などを選手が慎重に判断した場合、後から映像で誤差が分かっても、その合理的な判断を尊重することだ。
続いて同年12月に発表された運用では、関係ツアーなどが2018年1月1日から中継映像を競技委員側で監視し、視聴者からの通報を受け付けて裁定につなげる手順を廃止した。映像確認そのものをやめたのではなく、競技側が主体的に確認する形に改めた。
同時に、選手が知らなかった罰をカードに含めなかった場合の追加2罰打も、2018年はローカルルールで撤廃。2019年の規則で恒久化された。
現在も「元の場所に戻す」は変わらない
現在の規則にも、場所を決める際の合理的判断を認める規則1.3b(2)と、映像証拠の肉眼基準を定める規則20.2cがある。ただし、映像にずれが写っていても必ず無罰になる、という意味ではない。慎重に判断したか、肉眼で分かる事実だったかなど、条件を確かめる必要がある。
規則3.3b(3)も、知らなかった罰の記入漏れについて、元の罰をスコアに加える扱いを定めている。追加のカード罰がなくなったことと、元の違反に罰がないことは別だ。
球を戻す場所を慎重に確かめる責任は、今も変わらない。レキシーの4罰打を振り返ると、球の位置、違反が見つかった時点、知らなかった罰の記入漏れを、分けて考える大切さが分かる。
出典:LPGA(2) / USGA(2・3) / The R&A(2・3)
関連記事
転がる球を追いかけて打ったミケルソン、失格ではなく2罰打になった理由
3行まとめ
- 2018年全米オープンで、ミケルソンは転がる球を追いかけて打ち返し、失格ではなく2罰打を科された。
- USGAは球を止める別の行為ではなくストロークと判断し、当時の規則14-5を適用した。
- 本人は罰を承知していたと説明したが、2罰打を受ければ許されるプレーになったわけではない。
3人が落雷で搬送、1人は戻って4位タイ 1975年ウエスタン・オープン
3行まとめ
- 1975年のウエスタン・オープンで、3選手が落雷に遭い病院へ運ばれた。
- 2人は13番付近、もう1人は4番。
- ジェリー・ハードだけが競技に戻り、4位タイで終えた。
1851年のアンプレヤブル、相手があなたの球を2打打てた
3行まとめ
- 1851年のセントアンドリュースでは、アンプレヤブルの宣言に対戦相手の同意が必要だった。
- 相手が打てると考えれば、あなたの球を最大2打打ち、救出に成功した打数はあなたのスコアに。
- 現行ルールでは判断するのはプレーヤー本人。