コラム / 名コースを旅する
英国 / スコットランド・エアシャー/プレストウィック
プレストウィックで、 リンクスの 原点に 遊ぶ。 全英誕生の 地と 昼食を 味わう 2泊3日
GOLF DNA 公開: 情報確認:
全英オープンが始まったリンクスへ。見えないグリーンと大きなバンカーに挑み、水曜のクラブランチまで楽しむ。

グリーンが見えない。それでも、丘の向こうへボールを打たなければならない。プレストウィックには、いまのゴルフ場では出会いにくい一打が残っている。スコットランド西岸のエアシャーで、全英オープンが始まった土地を歩く旅だ。歴史を眺めるだけでなく、その少し風変わりなホールを自分で回ってこそ、ここへ来る面白さがわかる。
カーディナルとアルプス。見え方が変わるリンクス
3番カーディナルは、右へ大きく曲がるパー5。巨大なバンカーの手前へ止めるか、先へ進むかで、その後の景色が変わる。遠くへ飛ばすだけでは、次の一打が楽になるとは限らない。ティーショットの位置と狙う角度を考え、地形の中に自分の道筋を見つけるホールだ。
17番アルプスでは、狭いフェアウェイから丘越えのセカンドショットへ。グリーン手前にはサハラ・バンカーが待つ。旗の位置を示す案内と丘の上の目印を確認し、見えないからと感覚任せに打たないようにしたい。グリーンを離れるときのベルまで、前後の組が安全に進むための仕組みがホールの一部になっている。
初めてのラウンドなら、キャディーがいてくれる価値は大きい。狙いどころを教わることで、不意打ちのように見えた地形が、挑んでみたくなる課題に変わる。スコアだけを追うと苦しい日でも、丘を越えたボールが思わぬ場所に止まる楽しさは持ち帰れる。そうした遊びの幅が、この古いリンクスをいまも新鮮にしている。
○ ビジターでも回れる。水曜の昼食付きプランを軸に
会員同伴なしでビジターのティータイムを予約できる。土曜は会員のみで、ほかの曜日にも利用時間の枠がある。ここでは春〜秋の水曜に、18ホールと3コースの昼食が含まれるPrestwick Experienceを候補にする。ラウンドだけを終えて移動するより、クラブの食卓まで体験できる組み方だ。
| 項目 | 計画のポイント |
|---|---|
| ビジター | ○ 公式予約、またはクラブへの問い合わせで手配 |
| 水曜の体験 | Prestwick Experienceは朝のプレー後に昼食、または昼食後に午後プレー |
| ハンディキャップ | 公認ハンディを推奨。エチケットと円滑な進行を理解した定期的なプレーヤーも受け入れ |
| キャディー | クラブ経由で少なくとも1週間前に希望を伝える。手配は確約ではない |
| 服装 | 昼食のダイニングは男性ジャケット・襟付きシャツ・タイ。女性もゴルフウェアから着替える |
一般のグリーンフィーに昼食がいつも含まれるわけではない。水曜のプラン名とプレー・食事の順番を予約時に確かめたい。冬はフェアウェイ脇へボールを移すかマットから打つルールがあり、ダイニングの営業も変わる。昔ながらのリンクスとクラブランチを一緒に楽しむ今回の旅なら、春〜秋の候補日から選ぶのがわかりやすい。
2泊3日。ティーの近くで眠る
| 日程 | 過ごし方 |
|---|---|
| 1日目・火曜 | プレストウィック到着。Number 17に荷物を置き、夕食はトルーンのBisqueへ |
| 2日目・水曜 | 朝の18ホールとクラブの昼食。午後は部屋で休み、海辺の町をゆっくり歩く |
| 3日目・木曜 | 朝食後に出発。ほかのエアシャー滞在をつなぐなら、この日以降に |
宿のNumber 17は、最初のティーへ歩いて向かえるクラブの施設。8室の小さな宿で、キングまたはツインの客室も用意される。朝食を取り、靴を履き替えてティーへ向かうまでが短い。遠征先で毎朝車へバッグを積む忙しさから離れ、ゴルフのある町で一晩を過ごす感覚を楽しめる。
チェックインはクラブで行い、鍵の受け取りは14〜18時の案内。到着が遅くなる場合は先に連絡する。部屋とティータイムは一緒に相談し、宿が取れたことをプレーの確約と取り違えないようにしたい。早朝のラウンドを選ぶ場合は朝食の段取りも伝えておくと、当日の準備が落ち着く。
昼はクラブの食卓、夜はエアシャーの季節料理
水曜はプレー後に着替え、クラブで昼食を取る時間を長めに残す。17番で何を考えて打ったか、カーディナルをどこから越えたか。食卓で話したい材料は、18ホールの途中にいくつも見つかるはずだ。食事のあとにすぐ空港へ向かわず、同じ宿にもう一晩泊まることで、一日の余韻を急いで畳まずに済む。
到着日の夕食候補は、トルーンのロックグリーン・ハウスにあるBisque。海と農地に近い土地の食材を生かす季節料理で、魚介や肉、野菜の選択肢がある。料理はその時期のメニューから選びたい。車で向かうなら、ワインを楽しむ日の帰りはタクシーなどを先に手配し、食事の予約と合わせて移動も決めておこう。
古いホールに、初めての一打を残す
プレストウィックの歴史は、年号を覚えるためのものではない。先が見えない一打を打ち、丘を越えて結果を見に行く。その小さな期待と不安を味わえば、長くゴルフが続いてきた理由が身近になる。昼食と町での二晩まで含めて、全英誕生の地を自分の旅として楽しみたい。