コラム / 名コースを旅する
英国 / イングランド・サリー州/ウェイブリッジ
セント・ジョージズ・ヒルへ。 森の 起伏を 読み、 ウェイブリッジで 食事を 楽しむ 2泊3日
GOLF DNA 公開: 情報確認:
松と白樺の間に広がるコルトの名作へ。レッド&ブルーを回れる時期を選び、昼食とホテルのグリル料理まで楽しむ。

松の幹の向こうに、フェアウェイが一段低く見える。グリーンへ目を移すと、その先はまた上りになっている。セント・ジョージズ・ヒルで楽しみたいのは、森の景色とゴルフの判断が一つになる瞬間だ。ロンドンの南西、サリー州ウェイブリッジにあるヒースランドで、海沿いのリンクスとは違う名コースの奥行きを味わいたい。
コルトが森の中に見つけた、自然な攻略線
ハリー・コルトは、松や白樺に覆われた土地を歩き、まだ木を切り開く前にホールの位置を定めていった。ここで見る起伏は、単に遠くの景色を美しくする背景ではない。ボールをどの高さから打つか、グリーンへどんな角度で近づくかを変え、同じ距離でも違うショットを求めてくる。
レッドの8番を例にすると、現在のグリーンは高い側にまとまり、右下へ外れた球を受ける斜面がある。旗だけを見ると単純な一打に思えても、どこへ外せるかを考えると狙いは変わる。ホールの歴史を少し知ってから歩けば、短いホールの周囲にも、設計が積み重ねてきた時間が見えてくる。
景色を楽しむ余裕をつくるなら、番手を迷ったまま急いで打つより、最初に風と高低差を整理しておきたい。キャディーを頼む場合は事前予約を。歩きが基本のコースなので、18ホールを終えたあとの予定も穏やかにする。午後にもう一つ遠方の名門を詰め込むより、この一日を昼食や会話まで含めて残す旅が似合う。
○ ビジターでも回れる。予約する組み合わせが重要
会員の同伴なしでビジター予約ができる。通常は4月から12月中旬まで受け入れ、2人組は月〜木曜の午後が対象となる。ただし、世界100選を目的に出かけるなら、ティータイムの空きと一緒にレッド&ブルーを回れるかを確認したい。27ホールあるクラブなので、同じ18ホールという表記でも内容が変わる。
公式の改修案内では、2026年8月〜2027年4月はレッドの工事によりグリーン&ブルー。2027年5〜7月はレッド&ブルーが案内され、その後はブルーの工事に伴ってレッド&グリーンとなる予定だ。この記事の旅程は、レッド&ブルーが案内されている2027年5〜7月の平日を候補にする。進捗による変更は予約時に確かめたい。
| 項目 | 予約前に決めること |
|---|---|
| ビジター | ○ 会員同伴なし。オフィスへ空きとルーティングを問い合わせる |
| 2人組 | 月〜木曜の午後。一人の場合は組み合わせの可能性あり |
| 3・4人組 | 月〜木曜。金曜午前の4人組はごく限られた枠 |
| 実力の目安 | プレーイング・ハンディキャップ22以下を推奨。厳格な一律上限とは別 |
| 移動と装備 | 歩きが基本。キャディーは事前予約、当日現金払い |
2泊3日。昼食を先に取り、午後のスタートへ
| 日程 | 過ごし方 |
|---|---|
| 1日目・水曜 | ウェイブリッジへ移動。ブルックランズ・ホテルに泊まり、館内で夕食 |
| 2日目・木曜 | 午前はゆっくり準備。クラブで昼食を取り、予約した午後の18ホールへ |
| 3日目・金曜 | ホテルで朝食。移動を急がず次の滞在先へ |
2人旅なら午後の枠に合わせ、昼食をラウンド前に置くと一日が組みやすい。クラブのカーベリーランチは事前予約制で、人数などによってセットメニューになる場合もある。食事の内容と開始時刻を確認し、ティータイムに間に合う余裕を作る。ダイニング用の上着と履き替えの靴もバッグとは別に用意しておこう。
敷地への車の入口は限られる。ナビに最初からクラブの郵便番号だけを入れず、公式案内のOld AvenueまたはBrooklands Roadの入口を指定する。朝の周辺道路は混みやすいとクラブも注意を促している。午後のスタートでも、ゲートを抜けて受付へ着くまでを考えて出発したい。
ブルックランズで眠り、夜はグリル料理を
宿の候補はブルックランズ・ホテル。クラブの公式アクセス案内にも挙がるウェイブリッジの拠点だ。ロンドン中心部へ戻る移動を減らし、ラウンド後に着替えて夕食へ向かえる。ゴルフ仲間と泊まるならベッド構成や荷物の置き方を確認し、部屋の写真だけで選ばず、滞在中の使いやすさも見ておきたい。
館内の1907レストランは、グリルやローストを軸にした料理を選べる。コースで使った足を休め、肉料理と季節の付け合わせをゆっくり味わう夜にしたい。日〜木曜の夕食は21時までの案内なので、午後ラウンドの日は遅いスタートを避けるか、食事時間が合うかを先に相談する。クラブのダイニングは夜に営業しないため、夕食をクラブで取る前提にはしない。
森の一日を、食卓まで続ける
歩き終えて思い返したくなるのは、遠くまで飛んだ球だけではない。木々の間から見えたグリーンや、斜面を使って寄せた一打、昼食のあとに向かった最初のティーも残る。回る組み合わせと日程を丁寧に選べば、セント・ジョージズ・ヒルはロンドン近郊の一ラウンドを越え、森と食事を味わう滞在になる。