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ギア/シャフト 調査・執筆

純正TENSEIと市販のPro、振り心地と球筋はどう違う?

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純正のTENSEI BLUE TM50は、軽さとしなりによってヘッドの重みを感じやすい。市販のPro Blue 1K 50 Sは、手元と先端にしっかり感があり、中間部のたわみを感じやすい。試打者が語る振り心地は、このように分かれる。

Proの50 Sは、しなり戻りが打ち出しの高さとつかまりを助けるという評価。一方、タイトリスト専用1K BlueとProを同じヘッドで比べた試打では、感触の違いほど弾道は離れなかった。

TENSEI Pro Blue 1Kの公式製品写真
TENSEI Pro Blue 1K。写真:三菱ケミカル公式

TM50はヘッドの重み、Pro 50 Sは中間部のしなりを感じやすい

純正TM50は、軽くしなってヘッドの存在が伝わる

GDOでSIM MAXを試打した筒康博は、純正のTENSEI BLUE TM50を、軽く、しなりを使って振りやすいシャフトと評している。SやSRの表示から想像するほど硬くは感じず、ヘッドスピード40m/s前後なら安心して振れるという評価だ。筒康博の試打記事 →

速く振る人には、ヘッドが効き過ぎる場合もある、という指摘もあった。

GDOの別試打でも、TM50 Sを付けたSIM MAX 10.5度について、ミヤGが打ち出しの高さを挙げている。SIM MAXの試打記事 →

Pro Blue 1K 50 Sは、手元と先端がしっかりして中間部がたわむ

ピンG430 MAXでPro Blue 1K 50 Sを試打した鶴原弘高は、手元と先端がしっかりし、中間部に軟らかさを感じると報告している。鶴原弘高の試打記事 →

インパクトに向かって中間部から先が戻り、打ち出しとつかまりを助けるという。手元の張りを感じながらも、しなり戻りで球を上げやすい、という感触だ。

GDOのメーカー関連企画では、50 Sを打った岩井忠さんが、普段の右への抜け球と、それを嫌がって出る左への引っかけが少なかったと話している。つかまりは感じるが、左右への大きなミスは出なかったという感想だ。50 Sの試打記事 →

TM50はSIM MAX、鶴原のPro試打はG430 MAXでの別試打。ここで述べているのは各試打者が感じた動きで、同じヘッドで測った2本の性能差ではない。

同じProでも、60 Sにすると一部分が動く感じは薄くなる

鶴原の試打では、Pro Blue 1Kを60 Sにすると、50 Sほど中間部の軟らかさが際立たず、シャフト全体の硬さの差が小さい、均等なしなり方に感じられた。50 Sの中間部が動く感触と、60 Sのまとまった振り心地は、同じPro Blueでも違う。

1K BlueとProでは、手元の感触が違っても球筋は近かった

タイトリスト専用の1K Blueについては、海外誌Golf MonthlyにProとの比較がある。Joe Fergusonは同じQi35ヘッドで打ち、Proはワッグルの段階で手元が硬め、1K Blueは最初から硬さが気にならないと評している。ただ、Proも実際に振ると滑らかに動き、2本とも中弾道・中スピンに収まった。Golf Monthlyの比較試打 →

Golf Monthly掲載の試打結果(2025年)
シャフト打ち出し角スピン量キャリー
TENSEI 1K Blue10.8°2,455rpm289ヤード
TENSEI 1K Pro Blue10.4°2,389rpm287ヤード

この打ち手では、1K Blueの方がわずかに高く上がり、キャリーも2ヤード長かった。手元の感触の違いに対して、実際の打ち出し角とスピン量は近い。Proへ替えたら球が一段低くなる、飛距離が伸びる、という結果ではなかった。

この比較試打の条件

Qi35の標準ヘッドを実測9度、完成長45.5インチに統一。TP5xとGC3を使用。掲載ヘッドスピードは2本とも約52m/s。重量帯・フレックスは記事で明記されていないため、日本の1K Blue 55 S対Pro 50 Sの比較値としては扱わない。

TM50、1K Blue、Pro Blue 1Kはそれぞれ別製品

テーラーメイド純正

TENSEI BLUE TM50

2020年の国内SIM MAXに標準装着されたシャフト。

SIM MAXの掲載スペックを見る →
タイトリスト専用

TENSEI 1K Blue

Mitsubishi Golfがタイトリスト専用として掲載しているモデル。

メーカーの製品ページ →
市販モデル

TENSEI Pro Blue 1K

三菱ケミカルの単体販売モデル。2024年のテーラーメイドのカスタム資料にも載っている。

製品DBで仕様を読む →
タイトリスト専用TENSEI 1K Blueのシャフト全体
タイトリスト専用のTENSEI 1K Blue。2026・RIP表記のないモデル。写真:Mitsubishi Golf
メーカーの純正カスタムにもPro Blue 1Kがある

テーラーメイドの2024年カスタム資料には、Pro Blue 1Kの50・60・70が載っている。メーカーに注文して組んでもらったクラブにも、市販モデルのPro Blue 1Kが付く。「純正」という販売上の呼び方だけではシャフトを特定できないため、実物の型番を確かめたい。

Pro Blue 1Kは全体がしなる設計

Pro Blue 1K

三菱ケミカルは、シャフト全体がしなる設計としている。手元には1Kクロスを採用し、MR70や樹脂技術も投入。50・60・70・80の重量帯から選べる。

タイトリスト専用の1K Blue

Mitsubishi Golfの説明では、手元を1Kクロスで補強し、中間部をしなりやすく、先端を安定させた設計。同じ1Kクロスを使っていても、Pro Blue 1Kと製品全体の設計が一致するわけではない。

TM50については、参照したSIM MAXの公式仕様表に、材料構成やしなりの分布までは載っていない。重量とトルクを比べると、次のようになる。

公表スペックの比較(Sフレックス)
対象モデル掲載重量トルク掲載条件
TENSEI BLUE TM502020年・国内SIM MAX装着約54g4.4°SIM MAXの公式掲載値
TENSEI 1K Blue 55タイトリスト専用59g4.7°カット前・46インチ
TENSEI Pro Blue 1K 50日本の市販モデル54g4.8°カット前・1,168mm

TM50 SとPro Blue 1K 50 Sは、掲載重量がほぼ同じ。一方、トルクはTM50が4.4°、Proが4.8°で、市販のProの方が大きい。

トルクはねじれやすさを示す値で、曲げ剛性とは別の指標だ。この数値だけで「Proの方が軟らかい」と判断することはできない。

同じSでも、硬さの基準は共通ではない

Sの基準はメーカーやモデルをまたいで統一されていない。重量にもカット前後の違いがある。表の数値は、同じ長さに組んだクラブの実測比較ではない。TM50は採用クラブや年式も併せて確認する必要がある。

Diamanaも、純正と市販で仕様が違う

同じことはDiamanaにも当てはまる。2024年の国内Qi10ドライバーには、純正のDiamana BLUE TM50と、市販モデルのDiamana WB 63が用意されていた。

国内Qi10ドライバーの装着仕様(Sフレックス)
装着シャフトシャフト重量トルク/調子完成長
Diamana BLUE TM50約58g4.3°/中45.5インチ
Diamana WB 6361g3.1°/元45.25インチ

BLUE TM50は中調子、WB 63は元調子。重量だけでなく、しなり方の設計が異なり、クラブの完成長にも0.25インチの差がある。同じDiamanaのロゴが付いていても、交換すればクラブの仕様はこれだけ変わる。

2024年のQi10公式掲載値。シャフト重量はカット前。

交換で変えたいのは、手元の支えか、しなり戻りか

TM50でヘッドの動きを強く感じ過ぎるなら、Proを試す際は手元と先端のしっかり感を確かめたい。一方、Proの50 Sには中間部から先のしなり戻りで球をつかまえるという評価もある。左へのミスを減らしたい人は、手元が硬く感じることだけで判断せず、実際の出球と曲がりまで比べる必要がある。

50 Sのしなりを使う感触が合うか、60 Sの均等に動く感触が合うかも分かれる。ヘッドと完成長をそろえて打つと、切り返しでの手応えと、インパクトに向かって戻るタイミングを比べやすい。

中古の「純正抜き」は、型番と長さを確認

中古のシャフト売場には、完成クラブから抜いた純正TENSEIも並ぶ。商品名が「TENSEI BLUE・スリーブ付き」だけだと、どのモデルなのか判別できない。

  • 型番とフレックスの写真TM50か、1K Blueか、Pro Blue 1Kか。重量帯とフレックスの表示も見る。
  • 長さの測定基準シャフト単体の長さか、スリーブを含む長さか、ヘッド装着時の長さかを確認する。
  • スリーブの対応と加工歴使うヘッドに付くか、先端カットや抜き差しの履歴があるかを販売店へ確認する。
  • 組み上がりと費用希望の完成長にできるか。グリップ、スリーブ、工賃を含む総額も確認しておく。

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