プロでも、 最終日を 首位で 迎えると プレッシャーで スコアを 崩しやすい?
競技心理・プレッシャー
まず答え
少なくとも、首位という状況だけで崩れやすいとは確認されていません。PGA、シニアPGA、LPGAの成績を調べた研究では、最終日を首位または首位5打差以内で迎えた選手を比較しても「首位や1打差の選手ほど最終日にスコアを崩す」という仮説は支持されず、首位で最終日を迎えた選手は過半数で優勝しました。
詳しい解説
プレッシャー下で個々の選手が崩れることはありますが、「最終日首位」という条件そのものが、プロ全体でスコア悪化を起こすとは限りません。
Clarkの2002年研究では、PGA Tour、Senior PGA Tour、LPGA Tourの大会結果を用い、最終日を首位、または首位から5打差以内で迎えた選手を調べました。研究では、プレッシャーが強いなら首位や1打差の選手ほど最終ラウンドのスコアが悪くなるはずだ、という「チョーキング」仮説を検証しました。
しかし結果は、その仮説を支持しませんでした。首位や1打差の選手が、2打差以上の選手より最終日に高いスコアを出しやすいという明確な傾向は確認されませんでした。また、最終日を首位で迎えた選手は過半数でそのまま優勝しています。
これは「プロはプレッシャーで崩れない」という意味ではありません。大会結果だけから本人がどれだけ緊張していたかは分からず、個々の選手や特定の場面ではチョーキングが起こり得ます。2007年の同著者による縦断研究でも、PGA Tour選手35人を追跡して個人単位のチョーキング傾向を調べましたが、仮説を支持する一貫した証拠は得られませんでした。
実用上は、順位だけを見て『首位だから崩れる』と決めつけず、最終日の実際のスコア、ショット傾向、ルーティン、本人の反応を分けて評価します。プレッシャーは存在しても、順位条件だけで成績低下を予測するのは難しいというのが、この研究から言える範囲です。