ゴルフクラブの 金属素材は、 部品ごとに 何を 使い分ける?
材料と部品設計
まず答え
クラブでは鋼、チタン合金、アルミニウム合金、タングステンなどを、強度・重量・変形・重量配分の目的に応じて使い分けます。同じヘッドでも部品ごとに材料が違い、材料名だけで飛距離や打感の優劣は決まりません。
詳しい解説
ゴルフクラブの金属材料は、単に「高級か安価か」で選ばれるものではありません。シャフト、フェース、ヘッド本体、重りなど、部品が担う役割に合わせて、強度、重量、変形のさせ方、重量配分を設計するために使い分けます。
鋼はシャフトやヘッド部品に使われます。ただし鋼にも種類があり、同じ「スチール」なら性質が全部同じというわけではありません。日本シャフトのZELOS 7は、独自の鋼材NZNS60を使い、軽量化と強度などの両立を目指した製品として説明されています。材料と部品の形状を組み合わせて設計する例です。
チタン合金は、ヘッド本体やフェースに使われる例があります。PINGのG430 LSTフェアウェイは、フェースに2041 Beta-Ti、本体にTi 8-1-1という別のチタン合金を採用しています。同じヘッド内でも、フェースの変形と本体の構成に応じて材料を分けています。
アルミニウム合金とタングステンは、重量配分を見ると用途が分かりやすくなります。TaylorMadeのSpider GT MAXでは、軽量な6061アルミニウム製の上部、ステンレス製の重量調整トラック、タングステンの重りを組み合わせています。軽くした部分で重量の余裕を作り、別の位置へ重りを配置する考え方です。PINGの同フェアウェイでも、高密度タングステンのソールプレートを重心配置へ使っています。
これらは製品の設計例であり、すべてのクラブが同じ組み合わせではありません。また、カーボン複合材や樹脂などの非金属を一緒に使う設計もあります。用具を見るときは、材料名だけでなく「どの部品に、何のために使うのか」を確認します。実際の弾道や打感は、形状、厚さ、ロフト、重心、シャフト、打点なども含むため、金属の種類だけで性能順位を決めることはできません。