練習では 身体の 動きを 意識すると 直せるのに、 ラウンドでは ターゲット意識に 切り 替えた 方が いいことがある?
注意焦点・実戦転移
まず答え
あります。特に熟練者では、実戦中に身体の動きへ注意を向け続けるより、ボール・クラブ・目標など動作の外側へ注意を向けた方が精度が上がる研究があります。ただし初心者では身体への注意が有利だった研究もあり、全員が必ずターゲット意識へ切り替えるべきとは言えません。
詳しい解説
練習で身体の動きを意識することと、ラウンド中に何へ注意を向けるかは分けて考えられます。練習では、直したい動作を理解するために「胸の向き」「手首の形」など身体側へ注意を向けることがあります。一方、実戦では動作を細かく監視し続けると、すでに身についた動きの自動性を妨げる場合があります。
熟練男性ゴルファー33人を対象にしたBellとHardyの研究では、ピッチショットで身体動作を意識する条件、クラブなど近い外部対象を意識する条件、目標という遠い外部対象を意識する条件を比較しました。通常条件でも不安条件でも、目標へ注意を向けた群が最も正確で、身体動作へ注意を向けた群が最も精度が低い結果でした。
ただし、これは全員に同じルールが当てはまるという意味ではありません。別の研究では、ハンディ約4の上級者は外部への注意で成績が良かった一方、ハンディ約26の低技能者は身体動作への注意で成績が良い傾向を示しました。つまり、技能水準や現在の課題によって有効な注意の向け先は変わります。
実用上は、練習では必要な範囲で身体キューを使い、修正できたら最後にそのキューを減らして、球筋・打点・目標など外部の結果へ注意を戻して再現できるかを確かめます。ラウンドでは、動作修正を何個も抱え込むより、「この球をあそこへ出す」のような少数の外的な意図へ寄せた方が、身についた動きを邪魔しにくくなります。
ただし、練習で身体意識を使ってから本番でターゲット意識へ切り替える手順そのものを直接比較した研究ではありません。したがって「練習は内的、ラウンドは外的」と固定せず、自分の技能水準と実際の成績で使い分けます。