ゴルフ計測の 「妥当性」って 何?
計測科学・妥当性
まず答え
測りたいものを、その測定法がどれだけ適切に捉えているかを表す考え方です。結果が毎回そろう「信頼性」とは別で、安定して測れていても、目的の能力や基準値を正しく表しているとは限りません。
詳しい解説
ゴルフ計測でいう「妥当性」は、使っているテストや機器が、本当に知りたいものを適切に測れているかを確かめる考え方です。
たとえばアプローチ能力を知りたい場合、練習場で同じ距離を何球か打った点数が毎回よくそろっていても、それだけでは実戦のアプローチ能力を測れているとは限りません。実際の競技での精度と関係するか、技能水準の違いを捉えられるか、といった確認が必要です。
Robertsonらが開発したApproach-Iron Skill Testでは、エリート26人と高水準アマチュア23人が9つの目標へ計27球を打ち、エリート群の得点が有意に高いことなどからテストの性質を検証しました。続く研究では、高水準ゴルファー24人のテスト成績と、その後90日以内の競技ラウンドでのアプローチ精度を比較し、テストが実戦成績をある程度予測できることを示しました。これは「テストの点数が本番で測りたい能力と関係しているか」を確かめる妥当性検証の例です。
機器でも同じ考え方があります。MackenzieとEvansはパッティング計測装置TOMIを、ロボットと高速カメラによる基準計測と同時に使い、フェース角、軌道、速度、打点の一致を調べて妥当性を評価しました。ここでは、測定値が基準となる方法とどの程度一致するかが重要になります。
一方、「信頼性」は同じ条件で繰り返したときに結果がどれだけ安定するかです。妥当性と信頼性は関連しますが同じではありません。毎回2度右へずれる機器は再現性が高くても基準値には合っていない可能性がありますし、実戦をよく反映するテストでも球数が少なければ結果が不安定になることがあります。
そのためゴルフの測定結果を使うときは、「数字が安定しているか」だけでなく、「何を測りたいのか」「どの基準や実戦結果と比べて検証されたのか」「自分と近い対象者で検証されているか」を確認します。妥当性は、測定値を目的に使ってよいかを判断する土台です。