ゴルフ百科事典

雨水を一時的にためる池や窪地は、なぜ下流の洪水を減らせるの?

排水・雨水管理

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まず答え

雨が降った水をすぐ下流へ流さず、一時的にためて少しずつ放流することで、下流へ流れる水のピークを低くできるからです。総雨量そのものを消す仕組みではなく、流出の時間をずらして一度に集中する量を減らします。

詳しい解説

大雨のときに問題になりやすいのは、降った水の総量だけではなく、短い時間にどれだけ多くの水が下流へ集まるかです。ゴルフ場の調整池や雨水を受ける窪地は、流れてきた水をいったん貯留し、出口からの流量を絞って時間をかけて流すことで、このピークを抑えます。

一時貯留で放流を遅らせると、下流へ集中する流量のピークを抑えられます。図は浸透・蒸発を省略し、流入と放流の総量を同じにした模式例です。実施設の放流曲線や容量の設計値ではありません。

米国EPAは、雨水の一時貯留施設の主な目的を、雨水流出のピーク流量を減らし、下流の洪水や侵食を抑えることと説明しています。たとえば雨の最中に100の水が一度に流れ込んでも、施設内に一部をためて出口から30ずつ放流できれば、下流が一度に受ける負荷を小さくできます。実際の数字は施設容量、出口構造、流域面積、雨の規模によって変わります。

この仕組みは『水をなくす』ものではありません。貯留だけの施設では、雨が終わった後もためた水を下流へ放流するため、総流出量の削減効果は小さい場合があります。浸透する地盤や湿地などと組み合わせれば、地中へ浸透させたり水質改善を狙ったりする設計もあります。

ゴルフ場では、池や低地がコース内の雨水管理に使われることがあります。ただし、容量が足りなかったり出口が詰まったり、想定以上の豪雨が来たりすれば越流する可能性があります。したがって、単に窪地を作ればよいのではなく、どの範囲から何量の水が集まり、どの速さで安全に放流するかを設計する必要があります。

つまり洪水軽減の中心は、雨水を一時的に預かって『流す時間をずらす』ことです。