長尺パターは禁止されていない 2016年に消えたのは「クラブ」ではなく「固定する打ち方」
GOLF DNA編集部🌐

3行まとめ
- 2016年のルール改正で禁止されたのは、長尺パターそのものではなくクラブを身体に固定して打つ「アンカー」ストロークだった。
- 現在の規則10.1bでも、長いパターは適合クラブなら使用でき、身体に触れただけで直ちに違反になるわけでもない。
- テレビで長尺パターを見たときに、何を見ればルール上の違いが分かるのかを整理する。
「2016年から長尺パターは禁止になった」。
そう覚えているゴルファーは少なくないかもしれない。だが、実際に禁止されたのはクラブの長さではない。身体にクラブや握った手を固定し、それを支点にして打つ「アンカー」ストロークだ。
この違いを知っておくと、いまもツアーで長いパターを使う選手を見たときの景色が少し変わる。
2016年に変わったのは「道具」ではなく「打ち方」
R&Aと全米ゴルフ協会は2013年、当時の規則14-1bを採用し、2016年1月1日からアンカーしたストロークを禁止すると決めた。
重要なのは、その発表で「用具規則は変えない」と明言していたことだ。ベリーパターや長尺パターも、クラブとして適合している限り、その後も使える。禁止対象はクラブではなく、ストローク中の固定方法だった。
当時の規則当局が重視したのは、クラブ全体を自由に振ってボールを打つというゴルフの基本的な挑戦を守ることだった。長いパターを市場から消すための規制ではない。
現在の規則10.1bは、二つの「固定」を禁じる
現在のR&A公式規則では、この考え方は規則10.1bに残っている。
一つは直接の固定。ストローク中にクラブ、またはクラブを握っている手を、身体の一部に押し当てて固定する形だ。
もう一つは「アンカーポイント」を作る間接的な固定。前腕を身体に固定し、その側の握り手を安定した支点にして、もう一方の手でクラブを振る形が該当する。
長尺パターで胸元近くに上の手を置くスタイルでも、上の手やグリップを身体から離し、支点として固定しなければ、クラブの長さだけを理由に違反にはならない。
「身体に触れた」だけでも違反ではない
ここも誤解しやすい。
現行規則は、クラブや握った手、前腕がストローク中に身体や衣服へ単に触れただけなら、それだけで違反にはならないとしている。「触れたか」ではなく、「固定していたか」がポイントになる。
2016年の施行直後、全米ゴルフ協会はベルンハルト・ランガーの例を紹介した。ランガーは従来の長尺パターを使いながら、ストローク時には上側の手、グリップ、前腕を身体から離して打っていた。
つまり、見た目が昔のアンカースタイルに近くても、実際のストロークで支点を作っているかどうかで扱いは変わる。
しかも、パターだけの規則ではない
アンカー禁止は「長尺パター規制」という印象が強いが、本来はパターだけを狙った規則でもない。
全米ゴルフ協会は施行時の解説で、フェアウェイウッドなど別のクラブを身体に固定して打つ場合も同じ規則の対象になると説明している。規則が見ているのはクラブの種類ではなく、ストロークの作り方だからだ。
現在の規則10.1も、クラブ全体を自由に振ることを基本的な考え方としている。ストロークプレーで規則10.1に違反して打った場合、そのストロークは数えたうえで2罰打となる。
長尺パターを見るときは「長さ」より「支点」を見る
2016年の改正から10年たっても、「長尺パターは禁止」という説明だけでは実際のルールを正確に表せない。
見るべきなのは、パターが長いかどうかではない。
ストローク中にグリップや握り手を胸や腹などへ固定していないか。前腕を身体に付け、もう一方の手が振り子のように動く支点を作っていないか。逆に、身体の近くに構えていても、固定せず自由にクラブを振っているか。
規則が禁止したのは、長いパターではなく「身体を支点にしてクラブを振ること」だった。
だから現在でも、長尺パターそのものは消えていない。道具を禁止したのではなく、同じ道具をどう振るかに線を引いた――そこが、このルール改正のいちばん大事なところだ。
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- 1829年に購入された「穴を形成する道具」の寸法が広まり、1891年のR&A規則には現在と同じ4.25インチが明記された。