平和はなぜ売上9割がゴルフになった
GOLF DNA編集部🇯🇵

3行まとめ
- 遊技機メーカーの平和は、2011年に約495億円でPGMを傘下に入れ、2025年にはアコーディアを取得した。
- 2026年3月期には売上の約9割がゴルフ事業。
- 322コースを抱えるまでの狙いと、6300億円超の有利子負債を含む現在地を追う。
パチンコ・パチスロ機メーカーの平和は、いまや「ゴルフもやっている会社」ではない。
2026年3月期の売上高2581.07億円のうち、ゴルフ事業は2306.24億円。約9割を占めた。遊技機事業は274.82億円だった。
営業利益でも、事業別の数字はゴルフ455.99億円に対し、遊技機7.12億円。全社調整前の事業別数字なので単純に連結営業利益とは比べられないが、会社の稼ぎ方が大きく変わったことははっきりしている。
この転換は、2025年の大型買収で突然始まったわけではない。起点は2011年だった。
2011年、狙ったのは「安定収益」だった
当時の平和が抱えていた課題は、遊技機事業の収益変動だった。
ヒット機種の有無で業績が動きやすい。その波を補う安定収益を確保し、事業領域を広げ、総合レジャー企業へ転換する。平和は後の統合報告書で、パシフィックゴルフマネージメント(PGM)を傘下に入れた目的をそう説明している。
2011年10月、平和はPGMホールディングスへの公開買付けを決定。11月までの買付けで95万2681株を取得し、発行済み株式の80.49%を握った。取得価額は約495.4億円。12月に連結子会社化し、2015年には株式交換で完全子会社にした。
つまり最初の一手は、単なるゴルフ好き企業の多角化ではない。遊技機の波を、ゴルフ場運営の継続収入で補う事業設計だった。
14年後、5100億円規模の取引へ
PGMはその後、保有コースを増やした。2024年にアコーディア取得を発表した時点で、PGMは148コースを保有していた。
次の一手が桁違いだった。
平和は2024年12月、アコーディア・ゴルフの全株式を持つPJCインベストメンツの取得を契約し、2025年1月31日に取引を完了した。企業価値は5100億円。株式価値は約2535.6億円で、取得資金として5100億円、期間7年の借入を行った。
公式に示された狙いは、PGMとアコーディアという二つのブランドを組み合わせ、管理費や仕入れコストを下げ、運営やシステムを統合すること。予約サイトやポイントの共通化も計画に入った。
2011年に安定収益を求めて始めたゴルフ事業は、14年後には会社全体を左右する規模の投資対象になった。
322コースはすべて国内にある
2026年6月末、平和グループが保有するゴルフ場は322コース。リースは0だった。
内訳は関東・甲信越130、関西73、九州・沖縄39、東海・北陸33、中国18、東北15、北海道8、四国6。開示された322コースはすべて国内地域の合計と一致する。
平和は外部調査を根拠に「世界最大のゴルフ場保有会社」と表現している。独立した世界比較までは確認されていないため、ここで確実に言えるのは、国内で322コースを保有する巨大なゴルフ場グループになったことだ。
統合は進んだが、まだ途中でもある
買収後、二つの運営網をつなぐ施策は実際に始まっている。
PGM独自の「クールカート」はアコーディアの全172コースへ展開。ナイトゴルフは両ブランド合計17コースへ広がり、ウィズゴルフ(withGolf)は160以上のコースで展開された。株主優待もPGMとアコーディア双方で使えるようになった。
一方、予約サイトの一元化は計画に掲げられたものの、2026年の現行案内ではPGMとアコーディアで別々の公式予約サイトとアプリが案内されている。統合効果の金額も個別には開示されていない。
「買ったから統合完了」ではなく、サービスの共通化は進み、基幹部分はまだ移行の途中というのが現在地だ。
売上9割の代わりに、負債も巨大になった
大型買収で会社の収益構造はゴルフ中心になった。その代わり、財務負担も大きくなった。
2026年6月末の有利子負債は6306.84億円。自己資本は2525.99億円で、自己資本に対する有利子負債の比率は249.7%だった。アコーディア取得時の5100億円借入を抱える構造が、その数字に表れている。
2026年4〜6月の最新四半期でも、売上はゴルフ625.09億円、遊技機152.54億円。営業利益はゴルフ127.02億円、遊技機40.84億円だった。ゴルフが最大の事業柱である状態は続いている。
2011年、平和が欲しかったのは遊技機のヒット依存を補う安定収益だった。
出典:heiwanet.co.jp(2・3・4・5・6・7) / www2.heiwanet.co.jp / bakermckenzie.com / azcms.ir-service.net(2) / fsa.go.jp
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