禁止されたのは長尺パターではない
GOLF DNA編集部🌐

3行まとめ
- 2016年に禁止されたのは長尺パターそのものではなく、クラブや手を身体へ固定する打ち方だった。
- 用具を禁止しなかった理由、ランガーの適応、2026年にも残る長尺型の使用例から、規則の境界を追う。
- 2016年1月1日、ゴルフで「アンカーリング禁止」が施行された。
2016年1月1日、ゴルフで「アンカーリング禁止」が施行された。ここから「長尺パターは禁止になった」と記憶している人も少なくない。
実際に禁止されたのは、パターの長さではない。クラブを身体へ固定してストロークする方法だった。
米国ゴルフ協会とR&Aは2013年5月に旧規則14-1bを採択し、2016年から施行した。用具規則そのものは変えず、ベリーパターや長尺パターも、適合するクラブであれば使い続けられると明記した。問題にしたのは「何を持つか」ではなく「どう振るか」だった。
規則当局が長尺パターそのものを禁止しなかった理由も、当時から説明されている。長さを制限しようとすると、選手の身長差などを踏まえた線引きが複雑になる。さらに長尺パターは、身体的な事情から直立した姿勢で構えたいゴルファーにも役立つ。そこでクラブを消すのではなく、ストローク中の固定方法だけを規制した。
禁止された固定は大きく二つある。現在の規則10.1bでも、クラブまたはクラブを握る手を身体へ直接固定することは禁止される。もう一つは、前腕を身体へ固定し、その手を安定した「アンカーポイント」にする方法だ。
逆に、長いグリップが身体の近くにあるだけで直ちに違反になるわけではない。単に身体や衣服へ触れた場合でも、意図的に押し当てて固定していなければ違反とは限らない。境界はクラブの長さではなく、身体を支点として使っているかどうかにある。
施行直後、その違いを実戦で示した代表例がベルンハルト・ランガーだった。2016年のチャブ・クラシックで、ランガーは長尺パターを使い続けた。ただしグリップ上部を身体から離し、固定しないストロークへ変えた。米国ゴルフ協会もこの使用例を、アンカーリング禁止後の適合例として紹介している。ランガーはその大会で優勝した。
長尺型はその後も消えていない。米男子ツアーの公式記事は2024年にアダム・スコット、ルーカス・グローバー、アクシャイ・バティア、ウィル・ザラトリスらの使用例を紹介している。2026年1月にも、リコ・ホーイが45インチのブルームスティック型パターを実戦投入していると報じられた。
ここから「長尺パターが有利だから復活した」と結論づけることはできない。2026年の公式な全体使用率や増減を示す集計は確認できず、長尺型の性能優位を証明する材料でもない。確認できるのは、禁止から10年たっても、規則に適合する使い方で主要ツアーに残っているということだ。
アンカーリング禁止で消されたのは道具ではなく、身体を固定点にするストロークだった。長尺パターは、その境界に合わせて使い方を変えることで残った。2016年の規則変更を理解する鍵は、「何センチのパターか」ではなく、「どこを支点にして振っているか」にある。
出典:USGA(2・3・4) / The R&A(2) / PGA TOUR(2)
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3行まとめ
- クラブの一般用具規格では、パターを除き48インチ(約121.9cm)まで適合し得る。
- 一方、G-10を採用した競技では46インチ(約116.8cm)超をストロークに使えない。
- 同じクラブが「適合」と「その大会では使えない」を両立する、二層のルールを整理する。