首位も6オーバーも消えたメジャー
GOLF DNA編集部🇫🇷

3行まとめ
- 2017年エビアン選手権は、悪天候で第1ラウンドを中断しただけでは終わらなかった。
- すでに記録された全スコアを無効にし、全員をゼロへ戻して54ホールで再開。
- 2アンダーの首位も、5ホールで6オーバーも同時に消えた。
2017年9月14日、エビアン選手権の第1ラウンドは強風と雨、コースの飽和によって中断された。
ここまでは悪天候の大会では珍しくない。異例だったのは、その後だ。LPGAは途中から再開するのではなく、木曜日にプレーされた第1ラウンドそのものを取り消した。すでに記録されたスコアはすべて無効。翌15日、全員がゼロから新しい第1ラウンドを始めることになった。
中断時、ジェシカ・コルダとユ・ソヨンは2アンダーで首位。一方、パク・ソンヒョンは5ホールを終えて6オーバーだった。リセットは好スコアだけを消したのでも、悪いスコアだけを救ったのでもない。全員の木曜日が同じように消えた。
なぜ「途中再開」ではなく全消去だったのか
判断の中心にあったのは、公平性だった。
USGAが後日まとめた規則解説によると、LPGAはその後の天候予報を踏まえ、選手によってプレー条件が大きく異なる状態になると判断した。木曜日のラウンドをそのまま残せば、ある選手は比較的プレーできる条件で進み、別の選手は大きく異なる条件で残りを戦う可能性があった。
2017年当時の規則体系では、委員会には開始済みのラウンドを取り消す権限があった。コースがプレー不能になり、その日の続行ができず、取り消さなければ著しく不公平になる場合などは、ラウンドを無効にして後日やり直す判断が認められていた。競技全体のラウンド数を減らすことも委員会の選択肢だった。
つまり、途中まで出たスコアを「できるだけ生かす」ことが最優先ではなかった。条件差が競技の公平性を崩すと判断すれば、すでに打ったストロークまで含めてラウンドをなかったことにできた。
72ホールも維持しなかった
もう一つの判断が、72ホールから54ホールへの短縮だった。
木曜日を取り消して金曜日から4ラウンドをやり直せば、日程は後ろへずれる。しかし当時は日曜日から火曜日にも雨が予報されていた。そこでLPGAは、木曜日の第1ラウンドを取り消すのと同時に、大会を4ラウンドから3ラウンドへ減らした。
翌15日が新しい第1ラウンドになり、全員が同じスタート地点へ戻った。
そこで最も劇的に数字が変わったのがパク・ソンヒョンだった。前日は5ホールで6オーバー。そのスコアが消えた翌日の新第1ラウンドでは63、8アンダーを記録して単独首位に立った。
これは「リセットのおかげで最終結果が変わった」と証明する話ではない。木曜日のスコアが残っていた世界は存在しないからだ。確認できるのは、同じ選手が無効になったラウンドと正式な新第1ラウンドで、極端に違う数字を記録したという事実までだ。
54ホール化と全スコア消去は別の話
エビアン選手権では、メジャー昇格初年の2013年にも悪天候で54ホールへ短縮された。だから2017年を「史上初の短縮大会」と扱うことはできない。
2017年の特徴は、短縮そのものより、すでに複数の選手がプレーし、スコアが記録された第1ラウンドを丸ごと取り消したことにある。
悪天候なら、競技を止める、再開する、短縮するという選択がある。2017年のエビアンでは、さらに一段強い選択として「ここまでを全部消して、同じ条件からやり直す」が使われた。
2026年のエビアン選手権は132人が4日間で競い、2ラウンド後にカットする通常の形式で案内されている。2017年の54ホール化は大会の恒久的な仕組みではなく、その週の天候と競技条件に対して委員会が行った特別な判断だった。
首位の2アンダーも、5ホールで6オーバーも、同じ一手で消えた。あのリセットの核心は、誰を得させるかではなく、途中まで積み上がった結果よりも、残る競技を同じ条件で成立させることを優先した点にある。
出典:LPGA / sports.yahoo.com / amundi.evianchampionship.com / USGA(2) / golfchannel.com
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