モリカワの水準器メモはなぜ2罰打? 手書きOKでも「情報の取り方」が違反になる境界
GOLF DNA編集部🌐

3行まとめ
- グリーン読み資料は全面禁止ではない。
- 2019年に大きさ・縮尺、2022年から最高レベル競技向けのG-11で情報源まで制限された。
- 2023年のコリン・モリカワの2罰打から、手書きメモでも「どう得た情報か」が境界になる仕組みを整理する。
2023年のヒーロー・ワールド・チャレンジで、コリン・モリカワはグリーン読み資料の使い方をめぐって2罰打を受けた。
キャディーが練習グリーンで水準器を使って傾斜を調べ、その情報から作った数式を、競技で承認されたヤーデージブックへ書き込んでいた。モリカワは第3ラウンド中にその数式を参照した。公式裁定で第4ホールに2罰打が加わり、ラウンドは68から70になった。
一見すると「手書きメモなのに、なぜ違反なのか」と見える。境界は、手で書いたかどうかではない。最高レベルの競技で採用できるローカルルールG-11では、その情報を“どこから得たか”まで制限されるからだ。
2019年は、まず資料の大きさと縮尺を制限した
グリーン読み資料への規制は、いきなり機器由来の情報を全面禁止したわけではない。
2019年から、詳細なグリーン資料には大きさと縮尺の上限が設けられた。資料の最大サイズは4 1/4インチ×7インチ、縮尺は3/8インチを5ヤードとする1:480まで。狙いは、詳細な図面へ依存しすぎず、プレーヤー自身の判断力を残すことだった。
この段階で中心だったのは「資料そのもの」の大きさや細かさだ。
2022年からG-11は「情報源」まで絞った
次の段階が、2022年1月1日から利用できるようになったモデル・ローカルルールG-11だ。
G-11を採用した競技では、委員会が承認したヤーデージブックを使い、その中へ追加する手書き情報にも出所の制限がかかる。
手書きメモそのものが禁止されたわけではない。選手やキャディー自身のコース経験、テレビ中継、実際に球が転がる様子を見た情報、本人の感覚や一般的な観察などから得た内容は、認められる範囲がある。
つまり、「自分で見た・感じた・経験した情報」と「機器で測定して得た詳細情報」を同じ扱いにはしない設計だ。
モリカワの2罰打は、水準器から作った数式が境界を越えた
モリカワのケースで問題になったのは、メモ帳の種類ではなく、その数式の出所だった。
キャディーは練習グリーンで水準器を使用し、傾斜情報から数式を作成。それを承認済みのヤーデージブックへ書き込み、ラウンド中に参照した。競技委員会はこれをG-11に反する情報利用と判断した。
公式説明では、数式を記憶して使う場合と、機器から得た数式を資料へ書き込んで参照する場合は同じ扱いではないとされた。だから「手書きなら何を書いてもいい」という理解では足りない。
すべてのゴルフで同じ違反になるわけではない
ここは最も誤解しやすい。
G-11は2026年現在もUSGAとR&Aの現行ルールに残っているが、すべての競技へ一律に適用される一般ルールではない。最高レベルの競技向けに用意された選択制のローカルルールで、実際に採用するかは各競技委員会が決める。
そのため、2019年からの資料サイズ・縮尺の基礎的な制限と、G-11採用競技で加わる「承認本」と「情報源」の制限は分けて考える必要がある。
グリーンブックが全面禁止になったのではない。現在の境界は、資料の細かさだけでも、手書きか印刷かだけでもない。G-11が採用された競技では、書き込んだ情報を“どうやって得たのか”まで含めてルールの対象になる。
モリカワの2罰打は、その境界を最も分かりやすく示した実例だった。
出典:USGA(2・3) / PGA TOUR / The R&A
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3行まとめ
- クラブの一般用具規格では、パターを除き48インチ(約121.9cm)まで適合し得る。
- 一方、G-10を採用した競技では46インチ(約116.8cm)超をストロークに使えない。
- 同じクラブが「適合」と「その大会では使えない」を両立する、二層のルールを整理する。