AIはスライスの原因を見抜ける? 924打のスイングと球筋を答え合わせ
GOLF DNA編集部🇰🇷
3行まとめ
- 8人・924打のスイング動画と打球データを、1球ずつ結び付けた研究がある。
- AIは姿勢から打ち出し方向や曲がり方、球速を予測する可能性を示した。
- ただし上達の実演は1人の前後10打ずつ。
「頭が動いたからスライスした」。自分のスイング動画を見返すと、そう言いたくなる。でも、その1球が実際にどこへ飛んだかを測っていなければ、当てたのか、後から理由を付けただけなのかは分からない。
韓国の研究チームが作った「CaddieSet」は、そこを答え合わせできるようにした。8人のゴルファーが打った球について、スイングの姿勢と打球データを**1打ずつ対にして**記録したのだ。2025年のコンピューター視覚分野の学会で発表された研究である。
924打に「この動きで、この球」の答えを付ける
論文の中心となるのは、正面から撮影した924打。ドライバーが613打、3番ウッドが23打、4〜9番アイアンが288打だ。動画からアドレス、トップ、インパクトなど8つの局面を取り出し、頭や肩の位置、骨盤の回転、スタンス幅といった15種類の指標を数値にする。同じ球の打ち出し方向、スピン軸、球速なども一緒に残した。
これなら「フォームがきれいに見える」だけで終わらない。肩の向きが違ったとき、**その球は本当に右へ出たのか、曲がったのか**を調べられる。スイング動画と弾道測定器の結果を別々に眺めていた人には、案外大きな違いだ。
AIが読んだのは、球筋の「傾向」
研究チームは924打を学習用739打とテスト用185打に分け、姿勢の情報から打ち出し方向とスピン軸が一定範囲に収まるか、球速がどの程度かを予測した。画像を直接読む方法と、身体の動きを数値にして読む方法を比較し、後者でも予測に使えることを示している。頭の位置や肩の向きなど、どの情報がモデルの判断に関わったかも見えるようにした。
ただし、これは打球の軌道を毎回ぴたりと再現したという話ではない。方向とスピン軸は「設定した範囲の内か外か」という分類だ。そしてAIが姿勢と球筋の関係を見つけても、「肩を何度直せば必ずスライスが消える」という因果関係まで証明したわけではない。ゴルファーごとに体も打ち方も違う。
上達を試したのは、1人の前後10打ずつ
論文には、アマチュア1人にAIの分析を伝え、助言前の10打と助言後の10打を比べた実演もある。頭の位置と肩の角度についてフィードバックした後、著者らは打球のばらつきが小さくなったと報告した。
ここは期待したくなる。ただ、20打・1人の短い前後比較で、助言を受けなかった人との比較や長期の追跡はない。「AIに動画を見せれば上達する」と言い切るには、まだ早い。
それでも、この研究には筋のいい発想がある。スイングの良し悪しを見た目だけで決めない。**同じ1球の動きと結果を結び、直す前と後も打球で確かめる。** AIコーチのすごさを語るなら、気の利いた指摘より先に、この答え合わせをどれだけ積み重ねられるかだ。
出典:arxiv.org / github.com
関連記事
試合前に561球! ファウラーの「見えない練習」まで観戦できる時代に
3行まとめ
- リッキー・ファウラーが試合前の3日間に練習場で打った561球を、PGAツアーが記録した。
- 新機能「TOURCAST Range」では、ファンもプロの1球ごとの弾道や球速、総球数を見られる。
- 映るのは試合の結果だけではない。
腕時計1個で全身スイングは見えるか 36人・7クラブで見えた「8度」の現在地
3行まとめ
- 右打ち36人が7種類のクラブを振り、市販スマートウォッチ1個のデータから全身関節角度を推定した2026年研究。
- 平均絶対誤差は8.11±1.84度、骨盤・上体回旋の時系列相関は0.98・0.97だった。
- ただし実験室の光学座標に合わせる校正が必要で、2026年9月25日時点もプレプリント。
パターを替えた翌日に62 それでも「道具が当たった」とは言い切れない
3行まとめ
- 新パターに替えたキャメロン・ヤングは翌日に62、136フィートのパットを沈めた。
- ただし、その日は単独プレーで待ち時間がなく、ショットも同時に改善していた。
- 大会は最終的に11位タイ。