「ナイスパット」はうつる? 同じ球が「ミス」だと、次のパットはつられにくい
GOLF DNA編集部🌐
3行まとめ
- 経験者23人が他人のパット動画を見た後に打つと、「狙いどおり」と思った球にだけ、距離方向の小さな模倣的な偏りが出た。
- 同じように隅へ止まる球でも「ミス」と聞けば、その偏りは見られないか弱まった。
- ミスと逆方向へ打つ補正も確認されなかった。
前の組の「ナイスパット」を見たあと、自分の一打までなんとなく引っぱられる――そんな気がしたことはないだろうか。同じ球が同じような場所に止まっても、それが『狙いどおり』か『ミス』かで、見ている人の次のパットは違うのか。経験者23人を集めた研究が、ずいぶん意地悪な方法で確かめた。
同じ着地点を「ナイス」にも「ミス」にもする
2025年に学術誌Scientific Reportsで発表された実験では、右打ちの経験者23人が、9区画に分けた目標の中央へパットした。その合間に、別の人が打つ動画を見る。
仕掛けは動画を見る前の説明だ。球が隅の区画へ止まるパットでも、『打った人はそこを狙っていた』と言われれば成功。『中央を狙っていた』と言われれば失敗になる。見える球の行方は同じようでも、付けられた意味だけが変わる。
参加者は自分の球を打つ瞬間から結果を見られず、自分の前の一打の当たり外れに影響されにくい条件で繰り返した。
「正解」の球には、距離感が少しつられた
隅へ止まるパットを『狙いどおり』だと思って見たあと、参加者が中央を狙った球には、見た球へ寄るような小さな偏りが出た。はっきりしたのは主に距離方向。左右のずれは予想どおりにならず、外れ値の影響もあった。
ところが、同じように隅へ止まるパットを『中央を狙って外した』と聞くと、その模倣的な偏りは見られないか弱まった。だからといって、ミスを反面教師にして反対方向へ補正するような安定した動きも確認できなかった。
球の軌道を見ただけで機械的にまねたわけではない。『あの一打は成功だったのか』という判断が、その後の動きに関わった可能性がある。
グリーン上の攻略法、と言うにはまだ早い
効果は小さく、約2時間の室内実験で見つかったものだ。実戦のグリーンでも起きるのか、何打続くのか、上達につながるのかは分からない。『上手な人のパットを見れば入る』という話ではない。
それでも妙だ。同じ場所へ転がった球が、『ナイス』なら次の体を少し引っぱり、『ミス』ならそうならない。ゴルファーはボールだけを見ているつもりでも、その一打の意味まで受け取っているのかもしれない。
出典:nature.com / pmc.ncbi.nlm.nih.gov
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