優勝争い中にテレビと話す PGA TOURが「静かな中継」を変えた3年
GOLF DNA編集部🇺🇸

3行まとめ
- 2023年、マックス・ホーマは優勝争い中の13番ホールでCBS中継と会話し、その翌日に優勝した。
- 翌週には別選手へ広がり、2025年には「選手と個性をもっと深く知りたい」というファン要望への正式施策に入った。
- 2026年も競技中のwalk-and-talkは続き、ゴルフ中継は「結果を見る」だけでなく「思考を聞く」方向へ進んでいる。
ゴルフ中継で選手に話しかけるなら、普通はホールアウト後だ。
ところが2023年1月、PGA TOURは優勝争い中のマックス・ホーマに、**ラウンド中そのもの**でテレビと話してもらった。
場所はファーマーズ・インシュランス・オープン第3ラウンドの13番。ホーマはこの日を4位でスタートし、CBSの中継席と会話しながらプレーした。
そして翌日、優勝した。
「競技中の選手に話しかけるなんて集中の邪魔では?」と思いたくなるが、PGA TOURはそこで止まらなかった。翌週には別の優勝争い中の選手が同じ形式に参加し、2年後にはファン向け中継改善の正式施策へ入っていく。
13番ホールで、プロの頭の中を実況した
ホーマとPGA TOURは以前から、中継をどう面白くできるか話し合っていた。
着想の一つは野球だった。2022年、試合中に選手がマイクを付けて話す映像を見たホーマは、ゴルフでも同じように「その場でしか聞けないこと」を伝えられると考えた。
本人が例に挙げたのは、かなりゴルファー向きだ。
なぜ13番は難しいのか。なぜ12フィートに乗せたショットが良いのか。
スコアや飛距離の数字ではなく、**プロがその一打をどう評価しているか**を競技中に聞く。
これが従来のラウンド後インタビューとの大きな違いだった。
翌週には、もう2人目がいた
試験的な一発企画なら、珍しい映像で終わっていたはずだ。
ところが翌週のAT&Tペブルビーチ・プロアマ最終ラウンドでは、キース・ミッチェルが3番ホールで同じように中継と会話した。
しかもミッチェルは、最終ラウンド開始時点で単独4位。首位とは2打差だった。
つまりPGA TOURは、「余裕のある選手だけに話してもらう」のではなく、優勝争いの最中にもこの形式を試した。
もちろん、競技中インタビューが集中力や成績に良いのか悪いのかは別問題だ。今回確認したPGA TOURや放送局の資料から、そこまでの因果関係は分からない。
ただ、企画がホーマ一人で終わらなかったことは確かだ。
ファンが欲しかったのは、ショット数だけではなかった
2025年、PGA TOURは「Fan Forward」というファン調査を基にした中継改善を進めた。
そこで挙げられた要望は4つある。
より多くのゴルフを見たい。各ホールのドラマをもっと感じたい。大会ごとの意味を分かりやすくしたい。そして、**選手とその個性をもっと深く知りたい**。
PGA TOURは、その回答の一つとして競技中のwalk-and-talkを増やしたと説明している。
ここが面白い。
ゴルフ中継は長年、「球がどこへ飛んだか」を見せることが中心だった。だがファンが知りたいのは、結果だけではない。
なぜそのクラブを持ったのか。何を怖がっているのか。ラフからグリーンを狙うとき、本人には何が見えているのか。
プロの頭の中まで中継対象になり始めた。
2026年にも、歩きながら話している
この形式は2023年だけの実験では終わらなかった。
2026年6月のザ・メモリアルでは、クリストファー・ライタンが第1ラウンド中、15番ホールへ向かいながらHBO Max/Eurosportの中継と会話した。
ライタンはコースについて、フェアウェイを外すとグリーンへ球を止めるのが厳しいこと、自分のショットは少しさびついている感覚があることなどを、その場で説明している。
ラウンド後なら整理して答えられる。
だが競技中なら、答えはまだ途中だ。
次のショットが成功するかも分からない状態で、選手が今どう見ているかを聞ける。
出典:PGA TOUR(2・3・4) / eurosport.no
関連記事
プレジデンツ杯初日、米国中継に不満 開始1時間で広告15分45秒
3行まとめ
- 2026年プレジデンツカップ初日の米国中継をめぐり、視聴者から広告量や見逃したショットへの不満が相次いだ。
- Golfweekによると、競技開始後の最初の60分で広告は計15分45秒だった。
- Golfweekは9月24日、Golf Channelの中継開始後まもなくSNS上で不満の声が出始めたと報じた。