全米アマ王者だけが「プロになっても全米オープン」 2019年に消えた資格の罠
GOLF DNA編集部🇺🇸

3行まとめ
- 全米アマ王者には翌年の全米オープン出場権がある。
- だが2019年の変更前は、その前にプロへ転向すると権利を失った。
- USGAは王者について「プロになっても出られる」制度へ変更。
全米アマを勝つ。翌年の全米オープンに出られる。ここまでは分かりやすい。
ところが2019年の変更前は、その間にプロへ転向すると、その出場権が消えた。アマチュアの最高峰を勝ってつかんだメジャーの席なのに、「プロになったこと」が失効条件だったのである。
USGAは2019年、この仕組みを変えた。現在は全米アマ王者なら、翌年にプロへ転向していても全米オープンの免除を使える。
ただし、面白いのはここからだ。同じ優勝で得る全英オープンやマスターズの権利には、いまも「アマのまま」という条件が残る。さらに全米アマ準優勝者の翌年全米オープン枠にも、その条件が残っている。
一つの大会から生まれる「出場券」が、実は全部違うルールで動いている。
優勝したのに、プロになったら権利が消えた
USGAが2019年8月に発表した変更は明快だった。
それまで全米アマ王者は、翌年の全米オープン免除を使うためにアマ資格を維持する必要があった。全米女子アマも同じ仕組みだった。
USGAによれば、変更前の直前10年間で、男子の全米アマ王者は10人中4人、女子は10人中3人がプロ転向を選び、翌年のOpen免除を使わなかった。
勝者が「プロになるか」「勝って得たメジャー出場権を使うか」の二択を迫られるケースが、珍しくなかったわけだ。
実際、2018年にThe Amateur Championshipを勝ったJovan Rebulaについて、USGAは翌年の全米オープン出場権を「アマチュアのままであること」が条件だと明記していた。
2019年、USGAは「優勝」と「身分」を切り離した
2019年から、USGAは全米アマと全米女子アマの現王者について、翌年のOpen免除をアマでもプロでも利用できるようにした。
重要なのは、単に「プロを優遇した」制度ではないことだ。
USGAは変更時、王者はアマ資格に関係なくOpenの席を獲得したと考える、と説明している。また、選手がいつプロへ進むかを自分のキャリアに合わせて選べることも理由に挙げた。
つまり変更の核心は、全米オープンの1席を「その後の身分」ではなく「全米アマで勝った事実」に結び付け直したことにある。
最初の王者は、新制度を使わなかった
制度変更後、最初の全米アマ王者になったのは2019年のAndy Ogletreeだった。
ただしOgletreeは、翌年の全米オープンに出た時点ではまだアマチュアだった。その後、2020年11月のマスターズでローアマとなり、11月19日にプロ転向を発表している。
つまり制度は変わっていたが、最初の王者は「プロになってから全米オープンへ出る」という新しい自由を実際には使わなかった。
2021年、変更が本当に効いた
次の王者Tyler Strafaciで、制度の意味がはっきり見える。
Strafaciは2020年全米アマを制覇。Georgia Techの2021年全米オープン直前の記事では、彼はすでにプロとしてPGA TOURに出場しており、全米オープンの出場理由は「2020年全米アマ優勝」と明記されている。
少なくとも男子の改定後王者で確認できる最初の例として、全米アマで得た出場権を、プロ転向後もそのまま使った。
昔なら消えていた席が、消えなくなった。
2026年でも、全部の出場券が同じになったわけではない
2026年全米アマ王者Jack Whaleyの権利を見ると、制度の違いがさらに分かりやすい。
USGA公式によれば、Whaleyは2027年全米オープンの免除を得た。この項目にはアマ資格維持の条件が付いていない。
一方、2027年の全英オープン出場権には「アマであること」が条件。マスターズも「招待が見込まれる」とされるが、こちらもアマ資格を維持していることが条件だ。
しかも準優勝のJay Leng Jr.が得た2027年全米オープン免除には、「アマであること」という条件が付いている。
同じ全米アマの決勝を戦った2人でも、翌年の全米オープン枠の扱いは同じではない。
The Open側の2026年公式資格一覧を見ても、U.S. Amateur championの免除には印が付き、「免除を利用するにはアマ資格を維持しなければならない」と明記されている。
出典:USGA(2・3) / PGA TOUR / ramblinwreck.com / The Open
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