コラムコース・カルチャーコース設計
オーガスタに計画された90ヤードの「19番」 敗者が賭け直すためだった
GOLF DNA編集部🇺🇸
3行まとめ
- 1932年、設計者マッケンジーはオーガスタの「19番」を記した。
- 90ヤードの追加1ホールで、18ホールの敗者が賭け直す構想だった。
- 狭いピン側と広い逃げ道には、短いホールならではの駆け引きがある。
18ホールで負けた人に、もう一度だけ取り返す機会を。オーガスタ・ナショナルには、そんな目的の90ヤードの「19番」が計画されていた。マスターズの延長戦ではなく、ラウンド後の賭け直し用だ。
設計者本人が書いた、もう1ホール
設計者アリスター・マッケンジーは1932年3月の『The American Golfer』に、1番から18番までの設計案を紹介した後、「19番・90ヤード」と記した。クリフォード・ロバーツや記者グラントランド・ライスらが、負けた人に「ダブル・オア・クイッツ」の機会を与える本物の19番を面白いと考えた、と説明している。もう一勝負で損を帳消しにするか、倍にするか。目的まで明記された案だった。
90ヤードでも、狙いどころは二つ
この案は、ただ短いだけのホールではない。マッケンジーが描いたのは台地状のグリーン。通常ピンを置く側を狭くし、反対側は広く取る。ピンを攻める一打には精度を求め、確実に乗せたい人には広い逃げ道を残す。賭け直しの余興にも、攻め方を選ばせる設計が入っていた。
19番は現在の大会コースにはない。Golf Monthlyが紹介したオーガスタの記録では、計画を取りやめた理由は不明とされる。また、1933年の地元紙の記述から一時は存在したと読む人もおり、実際に造られたかには史料上の議論が残る。確かなのは、設計者自身が距離だけでなく、ピンを狙う側と安全に乗せる側の形まで書き残したことだ。90ヤードに凝縮された駆け引きが、いまは構想の中に残っている。
出典:alistermackenzie.org / Golf Monthly
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