THE PLAYERSの舞台、最後の藪はヤギが8割片づけた TPCソーグラス創成記
GOLF DNA編集部🇺🇸
3行まとめ
- THE PLAYERSの舞台、TPCソーグラスは約415エーカーの湿地と森林から生まれた。
- 開場前に残った下草を処理するためヤギを投入。
- 柵で区切った区域を順に食べてもらった。
THE PLAYERSの舞台、TPCソーグラス。開場を前に残った藪を片づけたのは、重機ではなくヤギだった。元米国男子(PGAツアー)コミッショナーのディーン・ビーマンは後年、6~8カ月で下草の問題の約8割が解消したと振り返っている。
1ドルの湿地からスタジアムコースへ
フロリダ州のこの土地は、もともと約415エーカー(約168ヘクタール)の湿地と森林だった。米国男子(PGAツアー)は用地を1ドルで取得し、コース設計家ピート・ダイが観客の見やすさまで考えたコースを造った。1979年2月の起工式は、敷地の奥へ入りにくいため道路沿いで行われたという。スタジアムコースが正式に開場したのは1980年10月。THE PLAYERSが初めてここで開かれたのは1982年だ。
予算が尽きかけ、下草が残った
開場が近づいても、プレー区域の周囲には濃い下草が残っていた。初代ヘッドプロのピート・デイビソンは後年、資金が限られ、仕上げが終わる前に予算が厳しくなったと語っている。そこでダイが提案したのが、農家で見たヤギによる下草の処理だった。
ヤギは購入や繁殖で二十数頭に増えた。まず1番フェアウェイ右側の一角に集められ、関係者はそこを「ゴート・アイランド」と呼んだ。小さな区域を柵で囲って食べさせ、終われば次へ移す。低木やつる植物を、人手で刈る代わりに減らしていった。
ビーマンの「約8割」という数字は当事者の後年の回顧で、測量や工事費監査に基づく数値ではない。ただ、ヤギが造成末期の下草処理に使われたことは、米国男子(PGAツアー)の複数の回顧に記されている。
もちろん、手間が消えたわけではない。ヤギは柵を破ってクラブハウスに現れ、屋根に登って降りられなくなった個体もいた。開場から約1年後には手放されたという。
17番のアイランドグリーンで知られる名コースにも、設計図からは見えない仕上げの現場があった。予算と藪という目の前の問題に、ヤギを使う発想で応えた。その一幕を知ると、整えられた今の景色も少し違って見える。
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