ゴルフバッグは当日着では遅い――1984年、専用ケースと運搬車まで作ったヤマト
GOLF DNA編集部🇯🇵
3行まとめ
- ヤマト運輸が1984年4月に始めたゴルフ宅急便は、プレー前日にバッグを届けるための専用サービスだった。
- 似た名前のゴルフ場や横積みによるクラブ破損の恐れにも対応し、専用ケースと運搬車を開発した。
- 今もバッグは本人より先にコースへ。
朝、電車でゴルフ場へ向かう。キャディバッグは、前日のうちにコースに届いている。バッグと本人が別々に移動するこの使い方を、ヤマト運輸が『ゴルフ宅急便』として商品化したのは1984年4月だった。
面白いのは、大きなバッグを普通の宅配便に載せるだけでは済まなかったことだ。ヤマトグループの100周年記念誌には、ゴルフならではの難所が記録されている。
当日着でも、スタートに間に合うとは限らない
記念誌が挙げる課題の一つは、プレー当日ではなく前日に届ける必要があること。同じ日に届いても、スタートした後ではクラブを使えない。ゴルフバッグには、プレーの日から逆算した締切が必要だった。
届け先にも落とし穴があった。よく似た名称のゴルフ場が多い、と記念誌は説明している。バッグを先に送ると、本人が受け取るまで行き先の間違いに気づかない可能性もある。早く運ぶだけでなく、予約したコースへ確実に運ぶことが大切になる。
バッグの形に合わせて、運ぶ道具も作った
さらに、バッグを横にすると、中のクラブを破損する恐れがあった。この対策として開発されたのが、ゴルフバッグ用のケースと運搬車だ。両方とも意匠登録したと記念誌にある。
バッグを発送する人の負担を減らす一方で、運ぶ側には道具の形に合った扱い方が求められた。専用のサービスは、届ける日だけでなく、運ぶ道具にも及んでいた。これは開発当時の記録であり、現在も同じ仕様の運搬車を使っているという意味ではない。
いまもバッグは前日、本人は当日
現行の公式案内でも、ゴルフ場への到着はプレー前日までとなっている。発送は原則としてプレー2日前、一部地域では3日前まで。受付窓口ごとに発送締切時間が異なるので、日付だけでなく受付時間も確認しておきたい。
1998年6月には、ゴルフなどの往復宅急便も発売された。今の往復利用なら、ラウンド後はゴルフ場へバッグを預けて帰れる。復路の送り状記入や運賃支払いの手間は、往路の手続きで済ませておける。
バッグは先にコースへ、本人は当日の朝に。その時間差を作ってくれるのがゴルフ宅急便だ。手ぶらで出かけられる便利さの裏には、前日という締切と、長いクラブを運ぶための工夫がある。
出典:yamato-hd.co.jp(2) / kuronekoyamato.co.jp
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