ゴルフ百科事典

ゴルフボールのディンプルは、深いほど飛ぶの?

空力・ディンプル深さ

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まず答え

深いほど飛ぶ、とは言えません。ディンプルの深さはボール表面の流れの変わり方に影響し、抗力や揚力を変えます。研究では深さに最適域があり、浅すぎても深すぎても不利になり得ます。速度・回転・ディンプルの直径や配置との組み合わせで決まります。

詳しい解説

ディンプルの「深さ」は、ボール表面からくぼみの底までの深さを指します。空力では、ボール直径などに対する相対的な深さで比較することもあります。

直径は横方向の広がり、深さは表面から底までの縦方向の寸法です。空力は形・配置・数や速度・回転などとの組み合わせで変わり、大きい・深いほど飛ぶとは限りません。

深さが重要なのは、ディンプルが表面近くの空気の流れを変え、が層流から乱流へ移る条件や、流れがボール表面から剥がれる位置に影響するからです。その結果、後流の大きさや、回転時のが変わります。

Tingの2003年の数値解析では、344個の同一円形ディンプルを持つモデルで、直径と配置を固定し、深さだけを浅い側から深い側へ変えて比較しました。その結果、抗力損失が最小になる深さの範囲があり、「深ければ深いほど良い」という関係ではありませんでした。

Chowdhuryらの2016年の風洞実験では、ディンプル深さを変えた11種類の試験球を比較し、深さ比を大きくすると、流れが切り替わるが低い側へ移る一方、遷移後の領域では抗力係数が大きくなる傾向を確認しています。

さらに日本機械学会の2014年の実験では、浅いディンプルほど揚力係数が大きくなる条件がある一方、極端に浅い場合は28m/s未満の低速域で揚力係数が非常に小さくなる結果も示されています。

つまり、ディンプル深さは単独で『飛ぶ・飛ばない』を決める値ではありません。実際の設計では、想定するボール速度や回転数、ディンプルの直径・数・配置と組み合わせて、抗力と揚力が狙った速度域で安定するよう調整します。