ゴルフ百科事典

横風では、持ち球を風にぶつけるのと風に乗せるのはどちらが安全?

横風・球筋選択

あとで読む保存した記事へ →

まず答え

どちらが常に安全とは言えません。持ち球の曲がりと横風が逆向きなら横移動を相殺しやすい一方、風向き・曲がり量の読み違いで結果が大きく変わります。普段打てる持ち球を基準に、危険側へ外れにくい狙いを選ぶ方が安全です。

詳しい解説

横風の中では、ボール固有の曲がりと風による横方向の移動が同時に起こります。ボールの曲がりは主にで決まり、TrackManではスピン軸がインパクトで決まった後、風に押されてもスピン軸そのものは変わらないと説明しています。つまり、やの曲がりと横風は別の要因として重なります。

回転に伴う揚力は、空気に対する進行方向とスピン軸の両方にほぼ直角です。軸が傾くと力の向きにも横成分が生じます。図はバックスピン主体の一例で、横風を含むすべての空気力を示すものではありません。曲がり量は速度、回転、空力特性、飛行時間でも変わります。

持ち球の曲がりが風と逆向きなら、最終的な横移動が小さくなる場合があります。たとえば右へ吹く風の中で左へ曲がる持ち球を打てば、曲がりと風の横移動が一部相殺される可能性があります。ただし、相殺量は一定ではありません。風速は高さによって変わり、球速・滞空時間・・スピン軸でも影響が変わります。

一方、持ち球を風と同じ方向へ乗せると、横移動が大きくなりやすい反面、自分の普段の曲がりを無理に反転させずに打てる利点があります。逆球を作ろうとしてフェースや軌道を大きく変えるより、再現しやすい持ち球を打ち、最初から十分に風上へ狙う方が実戦では安全なことがあります。

ゴルフボールの3次元飛翔研究では、回転軸の傾きによる横方向の空気力と、自然風を含む相対風速を使って軌道を計算できることが示されています。したがって『風にぶつければ必ず真っすぐ戻る』『風に乗せれば必ず危険』のような固定則にはできません。

実用上は、まず普段の持ち球とミス幅を基準にします。そのうえで、池・OB・林など絶対に避けたい側へ、風と持ち球が同時に曲げる配置なら大きめに安全側へ逃がします。反対に、風と持ち球が逆向きなら相殺を期待しすぎず、どちらかが弱かった場合でも危険側へ入らない狙いにします。安全性は『風にぶつけるか乗せるか』だけではなく、自分が再現できる球筋と危険区域の位置で決めます。