ゴルフ場の 散水に 使う水は、 井戸水・ 河川水・上水道で 規制の 受け方が 違う?
散水・水源規制
まず答え
違います。井戸水は地下水採取の条例や地盤沈下対策、河川水は河川法上の水利使用・取水許可、上水道は水道事業者との契約や渇水時の使用制限など、確認先と条件が異なります。同じゴルフ場でも水源ごとに権利・許可・量の制限・料金・水質管理を分けて確認します。
詳しい解説
ゴルフ場の散水水は、井戸、河川・湖沼、上水道、再生水、貯留雨水など複数の水源が使われます。USGAも、ゴルフ場の代表的な散水水源として地下水、表流水、再生水、上水道を挙げ、施設によって複数水源を組み合わせると説明しています。重要なのは、水源が違えば「水を使える根拠」と「守る条件」も同じではないことです。
日本で河川の水を継続的に取水する場合は、河川法上の水利使用が関係します。国土交通省は、河川の流水を特定目的で継続利用する行為を水利使用・水利権として扱い、河川の区分や取水規模に応じて許可権者や手続が変わるとしています。単に敷地のそばに川があるから自由にポンプで取れる、という扱いではありません。既存の水利使用者や河川流量への影響も確認対象になります。
井戸水は別の確認が必要です。地下水採取は全国一律の単一制度だけでなく、地盤沈下や地下水保全を目的とする都道府県・市区町村の条例や要綱が多数あります。環境省は自治体ごとの地下水採取規制を一覧化しており、地域によって井戸の口径、揚水設備、採取量、届出・許可、報告などの条件が異なります。そのため、井戸を新設する場合だけでなく、既設井戸の揚水量を増やす場合も所在地の制度を確認します。
上水道は、ゴルフ場が自分で水源から取水するのではなく、水道事業者から供給を受ける点が違います。そのため主な条件は、水道事業者との契約、料金体系、メーター、用途区分、渇水時の節水要請・給水制限などです。地域によっては、飲用に適した上水を大量に芝へ使うより、再生水や井戸など代替水源への転換を求めたり促したりすることがあります。
水源ごとに水質も異なります。USGAは、深井戸は比較的水質が安定しやすい一方、池や河川など表流水は周辺からの流入や季節・渇水の影響を受けやすく、再生水などでは定期的な水質分析が重要だとしています。規制上使える水でも、塩類、重炭酸、ナトリウムなどが芝や土壌に合うとは限りません。
実務では水源ごとに、①取水・利用の権利や許可、②使用量の上限と報告義務、③渇水時の制限、④料金、⑤水質と処理、⑥配管・貯留設備、⑦更新時の手続を別表で管理します。複数水源を混ぜる場合も、それぞれの条件が消えるわけではありません。
結論は、井戸水・河川水・上水道は同じ「散水用の水」でも規制の入口が違う、です。特に日本では河川水は河川管理者、地下水は自治体条例、上水道は水道事業者というように確認先が分かれるため、所在地と水源を特定してから制度を確認します。