高齢の ゴルファーと 非ゴルファーでは、 目や 内耳の 情報を 使う バランス能力に 違いが ある?
高齢者・感覚統合バランス
まず答え
小規模な横断研究では高い結果でした。高齢男性ゴルファー11人は健康な非ゴルファー12人より、視覚情報と前庭感覚を使って姿勢を保つ検査の成績が有意に高く、バランスへの自信も高い結果でした。ただし、ゴルフを続けたことが原因だとは断定できません。
詳しい解説
Gao、Hui-Chan、Tsangの2011年研究では、高齢男性ゴルファー11人と健康な非ゴルファー12人を比較しました。平均年齢はそれぞれ66.2歳、71.3歳で、年齢を完全に一致させた比較ではありません。姿勢制御は、立位で身体の揺れを制御するときに、足裏や関節からの体性感覚、目からの視覚情報、内耳の前庭感覚をどう使うかを見るSensory Organization Testで評価されています。
その結果、ゴルファー群は、視覚情報を利用する能力を示すvisual ratioと、前庭感覚を利用する能力を示すvestibular ratioで対照群より有意に高い成績でした。一方、体性感覚の利用能力を示す比率(somatosensory ratio)には有意差がありませんでした。日常生活でのバランスへの自信もゴルファー群の方が高く、視覚・前庭の指標や前方へのリーチ能力と関連していました。
この結果は、長年ゴルフをしている高齢者では、視覚や前庭感覚を含む複数の感覚情報を使って姿勢を保つ能力が、この研究の高齢の非ゴルファー群より高い結果でした。ただし、研究はすでにゴルフをしている人と非ゴルファーを比べた横断研究です。もともとバランス能力が高い人がゴルフを続けている可能性や、年齢差や他の運動習慣の影響も残ります。
したがって、『ゴルフを続ければ目や内耳のバランス能力が必ず改善する』とは言えません。また対象は男性23人だけです。高齢者の姿勢制御を評価する場合は、ゴルフ歴だけでなく、視覚条件や足場を変えたバランステストなど複数の条件で見るのが適切です。