ゴルフ百科事典

ボール位置を前後に変えると、クラブフェースの向きも変わる?

アドレス・ボール位置

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まず答え

変わり得ます。プロを対象にした3D研究では、ターゲット方向のボール位置を少し動かすだけで、アドレスの肩向きや、インパクト時のフェース向き・クラブ軌道などに有意な変化が確認されています。

詳しい解説

ボール位置は、クラブヘッドがボールへ当たる場所をずらすだけではありません。構えた時点の身体配置やクラブの向きまで連鎖的に変えることがあります。

Kimらの2018年研究では、男性プロ11人が基準位置からボールを左右、つまりターゲット方向・反対方向へ半径2.14 cmまたは直径4.27 cmずらしてショットしました。ボールをターゲット側へ動かすと、アドレスでは肩の向きとクラブフェースの狙いがターゲット側へ回る傾向があり、反対側へ動かすと逆の傾向が確認されました。さらにインパクト時のクラブフェースの狙い、クラブ軌道、入射角もボール位置で有意に変化しました。

左足等の片側基準と両足の中点は別の基準です。図は右打ちで左足の基準点と球を固定し、右足だけを広げた架空の配置です。中央は各段の足の基準点の中点なので、同じ球位置でも中央との関係が変わります。球を置く推奨位置や番手ごとの移動量ではありません。つま先か踵かもそろえ、打点と地面接触、最下点等で確認します。

2021年には男性プロ20人を使い、同様に5種類のボール位置でアドレスからインパクトまでを3D計測しています。わずか2.14 cm、4.27 cmの位置変更でも、アドレスの左右荷重や肩向きの違いが生まれ、その一部はダウンスイングからインパクトにかけて再び現れました。つまり、ボール位置変更は単なる『当てる場所の変更』ではなく、スイング全体へ影響する初期条件になり得ます。

ただし、『前に置けば必ずフェースが左を向く』と単純化はできません。研究は本人の通常ショットを基準にした集団平均で、個人は手元、肩向き、スタンス、フェース設定を別の方法で補償できます。また、アドレス時のフェース向きとインパクト時のフェース向きは別の量です。

実用上は、ボール位置を変えるときにフェースだけを見ず、①アドレスのフェース向き、②肩・スタンスの向き、③インパクトのフェース向きとクラブ軌道、④出球方向と曲がり、をセットで比較します。数センチの変更でも別の変数が同時に動く可能性があるため、一度に大きく動かさず複数球で確認します。