プロが 「いい感触」と 感じた ドライバーショットは、 Xファクターも 大きい?
セグメント協調・感覚とXファクター
まず答え
KPGAプロ9人を調べた研究では、良い・悪いスイングとして比較したショットのXファクターとXファクターストレッチに有意差は確認されませんでした。ただし原論文の方法には感触の自己評価に加えてヘッド速度による選択も記載されており、感触だけの違いを検証した結果とは扱えません。
詳しい解説
「今日はうまく振れた」という感触だけで、肩と骨盤の捻転差が大きかったとは判断できません。
KimとSoの2016年研究では、KPGAのプロ9人が自分のドライバーで10球ずつ打ち、各ショットの感触を5段階で自己評価しました。良い・悪い感触を比較する研究ですが、方法の記載では解析対象を各人の10球の平均ヘッド速度に対して最も遅い球と最も速い球から選んでいます。したがって、本人の感触だけで選んだ2球の比較と説明するのは正確ではありません。
3次元動作計測と床反力計による比較では、Xファクターは悪い側のショットで48.89±5.81°、良い側で48.77±6.36°と、有意差はありませんでした(p=.842)。切り返し後の最大分離角であるXファクターストレッチも、59.55±9.35°と59.63±7.95°で差は確認されませんでした(p=.935)。ヘッド速度の群平均にも有意差は確認されていません。
この研究では「良い感触=大きなXファクター」という関係は示されていません。ただし、差が有意でなかったことは、両者が等しい、または感触と捻転差が無関係だという証明でもありません。原論文には足の垂直地面反力や足圧中心の動きの一部に差が報告されていますが、感触の良さを生む原因まで確定していません。
対象はプロ9人で、各人10球から選んだ2球の比較です。ショット選択にヘッド速度も含まれるため、感触だけの影響を取り出した研究とは扱わず、アマチュアや他のクラブ、長期的な再現性にも一般化しません。実用上は、感触と打点・球筋・クラブ速度を記録し、Xファクターを知りたい場合は同じ定義で計測した肩と骨盤の角度を確認します。