太陽光発電を 入れれば、 ゴルフ場の 電力由来の CO2排出は 必ず 減る?
エネルギー・CO2
まず答え
必ずとは言えません。太陽光で実際に購入電力を置き換え、その発電に伴う再生可能エネルギーの環境価値も自施設で保持していれば、電力使用に伴うCO2排出を減らす方向に働きます。ただし発電量、故障・停止、売電比率、契約上の環境価値の扱いによって、削減量や「再エネを使った」と主張できる範囲は変わります。
詳しい解説
太陽光パネルを設置しただけで、ゴルフ場の電力由来CO2が自動的に一定量減るわけではありません。まず見るべきなのは、年間にどれだけ発電し、そのうちどれだけがクラブハウス、ポンプ、カート充電、管理施設などの電力を実際に置き換えたかです。
米国EPAは、施設内の太陽光で発電し、その電気に付随する再生可能エネルギー証書(REC)も自ら保有・保持している場合、その分を再生可能電力の使用やScope 2、つまり購入電力に伴う間接的な温室効果ガス排出の削減として主張できると説明しています。逆に、設備は敷地内にあってもRECを電力会社などへ譲渡している場合、その同じ環境価値を自施設のCO2削減として二重に主張することはできません。
実際の削減量は、設備容量だけでも決まりません。米国エネルギー省は太陽光設備の性能を、実発電量が予測発電量に対してどれだけ出ているか、また設備が稼働可能だった時間がどれくらいかで管理しています。日射、汚れ、故障、インバーター停止、経年劣化、保守状態などで実発電量は変わります。そのため「100kW設置したから毎年同じCO2が減る」という計算にはしません。
また、自家消費と売電も分けて見ます。昼間にポンプやクラブハウスで太陽光を使えば、その時間の購入電力を直接減らせます。一方、発電した電気の多くを外へ売り、夜間や早朝に別の電力を多く購入する施設では、物理的な電力収支と環境価値の帰属を分けて確認する必要があります。
設備の製造、交換、廃棄まで含めた「ライフサイクル全体の環境負荷」と、毎年の購入電力に伴うCO2排出は別の指標です。米国エネルギー省は太陽光設備について、20〜30年以上の運用と、最終的な撤去・再利用・リサイクルまで含む管理を示しています。したがって、電力由来CO2が減ったかを見るときと、設備全体の環境負荷を比べるときでは評価範囲を混同しないことが重要です。
ゴルフ場で確認するなら、①導入前後の購入電力量、②太陽光の実発電量、③自家消費量と売電量、④電力の排出係数、⑤再生可能エネルギーの環境価値を誰が保有する契約か、⑥設備の停止や劣化、を毎年そろえて比較します。
なおRECは米国の制度例で、日本などでは非化石証書等、環境価値を扱う仕組みや会計方法が異なります。結論は、太陽光は電力由来CO2を減らす有力な手段ですが、「設置した」という事実だけで削減を確定せず、実発電・購入電力・環境価値の帰属まで確認して評価する、です。