芝には、 鉄や マンガンなどの 微量要素も 必要?
栄養・施肥
まず答え
必要です。鉄、マンガン、亜鉛、銅、ホウ素、モリブデン、塩素などは少量でも芝の生理に必要です。ただし必要量が小さいため、普通の土壌では毎回追加するものではありません。砂主体のグリーンや高pH土壌など、欠乏しやすい条件を確認してから補給します。
詳しい解説
芝草には窒素・リン・カリウムのように比較的多く必要な養分だけでなく、鉄、マンガン、亜鉛、銅、ホウ素、モリブデン、塩素などの微量要素も必要です。「微量」は重要度が低いという意味ではなく、植物が必要とする量が少ないという意味です。
鉄はクロロフィル形成、光合成、窒素代謝などに関わり、不足すると若い葉が黄化しやすくなります。マンガンも葉緑体や酵素反応に関わります。ほかの微量要素もそれぞれ植物の代謝に必要ですが、必要量が少ないため、通常の鉱質土壌では不足しないことも多くあります。
一方、ゴルフ場の砂主体グリーンでは注意が必要です。Penn Stateの芝草施肥資料とUSGAのBMP資料は、砂質で陽イオン交換容量が小さい根域や、高pHで一部養分が利用されにくい土壌では、微量要素の補給が有効になる場合があるとしています。特に鉄は芝色を濃くする目的でも使われますが、窒素肥料と同じ働きをするわけではありません。
ここで重要なのは「微量要素は必要だから、多く入れれば良い」ではないことです。欠乏の有無は、土壌条件、pH、芝の症状、必要に応じて土壌・植物体分析を合わせて判断します。過剰施用は不要で、元素によっては蓄積や障害につながる可能性もあります。
また、土壌中に元素が存在していても、pHなどの影響で植物が吸収しにくい形になっていることがあります。例えば高pHでは鉄などが利用されにくくなることがあり、必要に応じてキレート化した資材などが選ばれます。
つまり微量要素は芝の健康に不可欠ですが、定期的に一律で足す養分ではありません。砂質根域や高pHなど欠乏しやすい条件を確認し、実際の不足に合わせて必要量だけ補うのが基本です。