砂の 下に 砂利層が ある グリーンは、 水が すぐ 全部 抜ける?
根域・排水
まず答え
いいえ。砂と粗い砂利の境界では、毛管力の差によって水が一時的に砂側へ保持される「宙水」が生じます。水分が増えて重力による力が境界の抵抗を上回ると、砂利層へ流れ出します。砂の厚さや粒径、砂利との組み合わせが適切でないと、表層が湿り過ぎることがあります。
詳しい解説
USGA方式などの砂主体グリーンでは、根域の下に砂利層と排水管を設けます。ただし、水をかけた瞬間から砂中の水がすべて砂利へ落ちるわけではありません。
砂は砂利より細かい孔隙を持つため、水を毛管力で保持します。砂の下に孔隙の大きな粗い砂利があると、砂と砂利の境界付近で砂側に水が保持されやすくなります。これが一般に「宙水(perched water table)」と呼ばれる状態です。ただし、境界で水の流れが完全に止まるという意味ではありません。重力や砂利との付着力による流れはあり、さらに水が加わると水の重さが境界の張力を越える方向に働き、排水が進みやすくなります。
そのため、砂の厚さは重要です。USGA Green Sectionは、粗い砂ほど宙水の高さが浅くなりやすく、逆に砂の深さが宙水の高さより不足すると、表面近くまで慢性的に湿りやすくなると説明しています。低い場所で根域を深くする設計が使われるのも、表面を宙水面から遠ざけて過湿を抑える考え方の一つです。
砂利の粒径も何でもよいわけではありません。USGAのグリーン建設基準では、根域材と砂利の粒径関係を試験し、根域材が砂利へ移動しにくく、かつ余分な水を排出できる組み合わせを選びます。標準的なUSGA方式では砂主体の根域層の下に最低4インチの砂利層を設け、排水管へ水を運びます。
つまり、砂利層は『水を即座に全部捨てる層』ではありません。根域には芝が使える水分をある程度残しながら、余剰水が増えたときに下へ排出できるよう、砂の性質・厚さ・砂利との粒径関係を一体で設計します。