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傾斜のある砂質グリーンは、雨のあと上側だけ先に乾きやすい?

根域排水・水分分布

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まず答え

なり得ます。実験用の砂質グリーンで0%・2%・4%の勾配を比較した研究では、雨後27〜45時間に勾配が大きいほど上側の乾燥が進み、上下方向の水分差が生じました。特に透水性が低い根域や、根域下に砂利層を持たない構造で差が大きくなりました。

詳しい解説

グリーンに傾斜があると、表面の雨水が低い側へ流れるだけでなく、根域の中でも水が横方向へ移動します。そのため、同じグリーン内でも高い側と低い側で雨後の乾き方が変わることがあります。

低所は周囲から水が集まりやすく、尾根は風や日射にさらされやすい傾向があります。ただし、透水性の高い谷が乾いたり、締め固まった高所が湿ったりする場合もあります。地形だけで散水量や排水不良を断定しません。

PrettymanとMcCoyは、砂質根域の実験グリーンを0%、2%、4%の傾斜に設定し、透水性の高い根域と低い根域、さらに根域の下に砂利層を持つ2層構造と持たない1層構造を比較しました。3時間の模擬降雨後、48時間にわたって複数の位置と深さの水分を測定しています。

雨が止んで1〜9時間の初期には、砂利層を持つ2層構造の方が根域水分が低く、横方向・深さ方向とも比較的均一でした。砂利層を持たない1層構造では、排水管の間に水分が多く残るなど位置差が出ました。

さらに雨後27〜45時間になると、勾配が大きいほどグリーン上側の乾燥が進みました。上下方向の水分差は、透水性の低い根域と1層構造でより大きくなりました。つまり「傾斜があれば全体が均一に早く乾く」のではなく、傾斜によって根域内の水が移動し、上側が先に乾く一方で低い側へ水分が残ることがあります。

実務では、雨後の散水判断をグリーン中央1点の含水率だけで決めず、傾斜の上・中・下で測る方が安全です。特に排水性の低い根域や、グリーン内で乾湿差が出やすい場所では、上側だけ局所散水が必要になる一方、低い側への追加散水は過湿を悪化させる場合があります。

ただし、この研究は一定寸法の実験グリーンと特定の砂質根域で行われています。実際のコースでは傾斜形状、排水管配置、根域の不均一、、日照、風でも水分分布が変わるため、勾配だけで乾燥位置を固定的に予測しません。