会員の 高齢化が 進むと、 ゴルフクラブの 収入や サービス設計は どう 変わる?
クラブマネジメント
まず答え
高齢化だけで収入が必ず減るわけではありませんが、会費への価格感度、利用する施設・時間帯、ゴルフ利用頻度が変わるため、同じ会員区分・同じサービスを続けると収入と利用実態がずれやすくなります。年齢だけで一律値下げせず、利用実績と会員価値を見て会員区分やサービスを組み替えるのが基本です。
詳しい解説
会員の高齢化が進むと、クラブ経営で変わりやすいのは「人数」だけではありません。会員が何に価値を感じ、どの施設をどれくらい使い、会費をどう受け止めるかが変わるため、収入構造とサービス設計を一緒に見直す必要があります。
Club Management Association of America(CMAA)とGGA Partnersの2025年調査では、クラブ経営者から見て、年齢の高い会員ほど会費に対する価値への懸念が強い傾向が報告されています。一方、世代間で共通する満足要素もあり、年齢だけでサービスを完全に分ければよいわけではありません。
実際の対応例として、CMAAのIdea Fairで紹介されたCharlotte Country Clubは、65歳を超え、かつ在籍15年以上の会員を対象に、利用制限と引き換えに運営会費や資本会費を減らす複数のシニア会員区分を導入しました。目的は、長期会員の選択肢を増やすと同時に、ゴルフ利用容量を管理し、改修資金とのバランスを取ることでした。
こうした仕組みは、収入面では単純な「値下げ」ではありません。会費単価は下がっても、退会を防いで会員数を維持できる可能性があります。また、利用制限によって混雑を抑え、空いた利用枠を新規・フル会員へ配分できる場合もあります。逆に、対象者が増えすぎると会費収入が下がるため、何人が移行するかを事前に試算する必要があります。
サービス面では、年齢だけではなく、実際の利用行動で見ることが重要です。18ホールの利用が減っても、食事、社交、練習、短時間利用、家族との来場を重視する会員はいます。したがって「高齢会員=ゴルフをしない」と決めつけず、ラウンド数、施設利用、来場時間、満足度、退会理由を分けて確認します。
経営上は、①年齢構成、②会員区分別の会費収入、③施設別利用率、④退会・区分変更率、⑤新規会員の待機状況を並べると判断しやすくなります。高齢化への対応は、単純なシニア割引ではなく、会員価値を保ちながら利用量と会費を再設計する仕事です。