豪雨や 暴風の あと、 ゴルフコースの 復旧は 何から 始める?
コース管理・緊急対応
まず答え
最初は芝刈りやバンカー整備ではなく、安全確認と被害把握です。倒木・折れ枝、冠水、電気設備や建物、道路・橋、灌水設備などを確認し、危険区域を閉鎖します。その後、排水・アクセス確保、倒木やがれきの除去、泥・砂の除去、灌水設備の復旧を優先し、地面が飽和している間は重機やカートによる二次被害を避けます。
詳しい解説
豪雨や暴風の後は、普段のコース整備を急いで再開するより、まず人の安全と被害範囲の確認を優先します。USGAの暴風雨対応資料では、スタッフが安全に戻れるかを確認したうえで、チームでコースを巡回し、冠水、倒木・折れ枝、停電、建物や設備の損傷などを確認することを最初の段階としています。倒れた電線や不安定な樹木など危険が残る区域は、プレーヤーだけでなく作業員も入れないようにします。
次に、復旧作業へ安全に入れる経路を確保します。倒木や枝で道路が塞がれていれば除去し、排水口や水路が詰まっていれば水が抜ける状態へ戻します。冠水した場所では、水が引く前に大型機械を入れると、わだちや締固めを増やして芝と土壌をさらに傷めることがあります。USGAは、飽和した場所で早く交通を再開すると、締固めやわだちなどの二次被害が増えると説明しています。水が引いた見た目だけで判断せず、土壌が作業車両の荷重に耐えられるかを管理者が確認します。
洪水で泥やシルトが芝面に残った場合は、放置すると水の浸透を妨げる層になるため、地面が作業できる状態になり次第、早めに除去します。厚い堆積物は機械で取り除き、薄い層はレーキ、ブラシ、洗浄などで取り除く方法があります。バンカーでは砂の流亡や泥の混入、法面崩壊が起こりやすいため、単に砂をならすだけでなく、排水や汚染状態を確認してから復旧します。
灌水設備も重要です。大雨の直後でも、グリーンは排水が進むと比較的早く乾くことがあります。停電やポンプ・制御機器の損傷で散水できない状態が続くと、洪水後なのに乾燥ストレスが起こることがあります。沿岸部の浸水では塩分が残ることもあるため、水源や根域の塩類確認が必要になる場合があります。
再開判断は『水が引いたから営業できる』だけでは決めません。安全上の危険が除かれ、必要な場所へ作業車両が入れ、芝面がカートや歩行で大きく傷まない程度まで回復しているかを確認します。濡れた状態で早く再開すると、締固めや轍などの二次被害が増え、結果的に復旧が長引くことがあります。
つまり復旧の順番は、①人の安全、②被害把握と危険区域の封鎖、③排水・アクセス確保、④倒木・泥・砂などの除去と設備復旧、⑤芝面の回復を見ながらプレー再開、が基本です。被害の種類と程度で順番は変わるため、通常業務の優先順位をそのまま当てはめないことが重要です。