3Dスイング解析の 「バックスイング深さ」って 何?
バックスイング・手元位置
まず答え
バックスイング深さは、バックスイング中の手元やクラブが身体に対して前後方向へどれだけ移動した位置にあるかを見る便宜的な指標です。研究で統一された単一の標準値ではないため、測る点・座標軸・基準となる身体部位を確認して読みます。
詳しい解説
「バックスイング深さ」は、手元やクラブがバックスイングで身体の後方側へどれだけ回り込んだかを表すときに使われる実用的な言い方です。ただし、学術研究で一つの共通定義に固定された指標ではありません。3D解析では、手やクラブの位置を前後・左右・上下の座標へ分けて測り、その前後方向の成分を『深さ』として扱うことができます。
Carsonらの2014年研究では、右打ちゴルファーの左手位置を胸骨のローカル座標系に対して3次元で表し、内外側、前後、上下の各成分を別々に解析しました。この方法なら、地面やカメラに対する見た目ではなく、身体に対して手が前後方向へどこにあるかを数値化できます。一方で、別の解析機器が骨盤、胸郭、ターゲットライン、グローバル座標など別の基準を使えば、同じスイングでも数値の意味は変わります。
また、バックスイング深さはバックスイング幅や高さ、手の軌道長とは別です。幅はバックスイング全体の大きさを広く表すことがあり、高さは上下方向の位置、軌道長は手が通った経路の総距離です。深さだけを見ても、手がどれだけ高く上がったか、どれだけ長い軌道を通ったかは分かりません。
NesbitとMcGinnisの2009年研究では、4人のゴルファーの手元に相当するスイング・ハブの軌道を解析し、軌道の大きさや形は被験者間でかなり異なり、単純な円軌道ではないことを示しました。これは、手元の軌道を一つの『深さ』だけで良否判定できないことを示す一例です。
実用上は、①手・グリップ・クラブのどの点を測ったか、②前後方向をどの座標系で定義したか、③アドレスとの差かトップ時の絶対位置か、④同じクラブ・同じ計測法かをそろえて比較します。深いほど良い、浅いほど再現性が高いという固定基準にはせず、本人のクラブ軌道、打点、フェース向き、球筋と合わせて評価します。