ゴルフで いう 「方向知覚の 校正」って 何?
知覚・方向校正
まず答え
方向知覚の校正は、目標方向の見え方と実際の方向のずれを、結果フィードバックを使って調整していくことです。パットでは「狙い線の見え方」と「実際に打ち出す方向」が別々に校正されることがあり、片方の練習だけで自動的に両方が直るとは限りません。
詳しい解説
方向知覚の校正は、目で得た方向情報と「本当はどちらが正しい方向か」の対応関係を、実際の結果を手掛かりに調整していくことです。ゴルフでは、たとえば「自分には真っすぐに見える線」と、外部基準で確認した実際の目標線にずれがある場合、そのずれを反復して確認しながら見積もりを更新していくことが校正に当たります。
van Lierらの2011年研究では、初心者ゴルファーを、実際にパットする練習群、狙い方向を目で判断する知覚練習群、対照群に分け、方向誤差について結果フィードバックを与えました。実打群ではパット方向の誤差が改善し、知覚群では方向判断の誤差が改善しました。
ただし、その改善は別の課題へほとんど転移しませんでした。実打を練習して方向精度が良くなっても、狙い線を目で判断する誤差は同じようには改善せず、逆に方向知覚を練習しても実際のパット方向へは改善が移りませんでした。
この結果は、方向知覚の校正と、クラブを動かして実際の開始方向を合わせる運動の校正を分けて考える必要があることを示します。実戦では、①どこが真っすぐに見えるか、②実際の目標線はどこか、③ボールがどこへ打ち出されたか、を分けて確認すると、自分のずれが「見え方」なのか「打ち方」なのかを切り分けやすくなります。
ただし研究は初心者の短期学習を対象にしています。熟練者や長期間の練習でも知覚と実打の間に転移が起きない、とまでは言えません。方向知覚の校正は、見え方を一度直せば永続的に正しくなるという意味ではなく、課題とフィードバックに応じて調整される過程として扱うのが適切です。