ゴルフ百科事典

ゴルフスイングの「肘部負荷」って何?

上肢バイオメカニクス/肘部負荷

あとで読む保存した記事へ →

まず答え

肘部負荷は、スイング中に肘関節やその周囲へ加わる力・回転させる力、さらにそれを支える前腕筋の活動などをまとめて捉える考え方です。痛みや障害そのものを意味せず、どの局面でどんな力学的負担が生じるかを表します。

詳しい解説

ゴルフでいう肘部負荷は、肘関節へかかる力や関節を回そうとするモーメント、そして手首・前腕・肘まわりの筋がそれを支えるために働く量などを含む力学的な負担です。単に「肘が曲がっている角度」だけを見たものではありません。

角度・力・トルクという異なる量を分ける一般的な記号図です。矢印は力とモーメントの方向例で、実際の手首・膝・股関節・肩の形状、組織にかかる力、負荷の大きさや障害リスクを示しません。関節力学量は直接計測かモデル推定かも確認します。

Choiらは、9人の登録プロゴルファーに力・トルクを計測できる専用グリップを使わせ、上肢の3次元運動と組み合わせて肩・肘・手首などの関節力と関節トルクを計算しました。左右の腕で力やトルクの出る時期と大きさが異なり、多くのピークはインパクト付近に現れました。

またFarberらは、プロとアマチュアの前腕筋活動を細い電極で計測し、スイング局面ごとの筋活動を比較しています。つまり肘まわりの負担は、クラブを握る力、前腕の回旋、手首の動き、クラブとの相互作用などを含む上肢全体の連鎖として見る必要があります。

大切なのは、計測上の負荷が大きいことと、痛みや障害が起きることを同じ意味にしないことです。障害リスクには反復回数、回復状態、既往、技術、用具なども関わるため、肘部負荷はその一部を表す指標として扱います。