ラウンド前の 「モビリティ」って 何?
ラウンド前ウォームアップ
まず答え
ラウンド前のモビリティは、関節をただ長く伸ばすことではなく、自分で身体を動かしながら、その日のスイングに必要な可動域を使える状態へ整える準備です。股関節・胸郭・肩などを動的に動かし、最後は素振りやショットへつなげます。
詳しい解説
ラウンド前にいう「モビリティ」は、単に身体がどこまで柔らかいかを見ることではありません。自分の力で関節や身体を動かし、ゴルフで使う範囲をその場で使える状態へ整える準備と考えると分かりやすいです。
たとえば股関節を回す、胸郭を左右へ回旋する、肩を大きく動かすといった動きを、痛みのない範囲で少しずつ大きくしていきます。その後に小さな素振りから通常の素振り、ショットへ移れば、可動域の準備とゴルフ特有の動きをつなげられます。
これは、一定の姿勢で筋肉を伸ばし続ける静的ストレッチと同じではありません。2009年のゴルフ一次研究では、一般的なウォームアップの中で動的ストレッチを行った条件は、静的ストレッチやストレッチなしより5番アイアンのクラブヘッド速度・ボール初速などが高くなりました。別の若い男性競技ゴルファー15人の研究では、動的ウォームアップの前に20分の受動的な静的ストレッチを加えた条件で、ドライバーのクラブヘッド速度、飛距離、精度、打点の再現性が低下しました。
一方で、モビリティ運動を増やせば増やすほど良いわけではありません。ゴルフ特有のウォームアップを用いた小規模研究ではクラブヘッド速度の改善が報告されていますが、全員に共通する種目数や時間は決まっていません。
実用上は、軽く身体を温める→股関節・胸郭・肩などを動的に動かす→小さい素振り→通常のショット、という順にすると整理しやすいです。目的は「柔らかさの記録を伸ばすこと」ではなく、スタート時に必要な動きを無理なく使える状態へ近づけることです。