自由度 解放とは?
協調・自由度
まず答え
自由度解放は、運動学習が進むにつれて、初期に動きを単純化するため抑えていた関節や身体部位の動きを使えるようにし、課題に必要な調整の選択肢を増やすことです。『力を抜いて自由に動く』という意味ではなく、複数の自由度を目的に合わせて使えるようになる過程を指します。
詳しい解説
自由度解放は、運動を覚える初期に一部の関節や身体部位をあまり動かさず課題を単純化していた状態から、練習とともに使える動きを増やしていく過程です。運動制御では、身体には多数の関節・回転方向・筋活動という選択肢があり、それらをどう組み合わせるかが課題になります。
Vereijkenらは、スキーに似たスラローム運動を5人が7日間練習する実験で、初期には下肢と体幹の関節運動範囲が小さく、関節同士の結び付きが強い状態を観察しました。練習が進むにつれて各関節の運動範囲が増え、強く固定された関節間の連動は弱まりました。著者らは、初期に『凍結』していた自由度が学習とともに『解放』され、より柔軟な協調へ移る過程と解釈しています。
ただし、自由度を多く使えば使うほど上手いという意味ではありません。ゴルフではMorrisonらが、上級者と中級者のスイングを解析し、上級者ほど身体の多数の自由度をクラブヘッド結果を乱しにくい形で利用していることを報告しました。重要なのは動きを増やすことではなく、必要な自由度を結果へ役立つ形で協調させることです。
また、学習段階や状況によっては一時的に自由度を減らす方が課題を扱いやすいこともあります。したがって『初心者は固める、上級者は全部自由にする』という固定ルールにはしません。
実用上は、ドリルで一部を固定して新しい感覚を作ったあと、通常のショットへ戻したときに打点・方向・速度を保ちながら必要な関節の動きを使えるかを確認します。固定ドリルを永続的な完成形にするのではなく、実戦動作へ戻す途中で自由度を段階的に使えるようにする、という理解が適切です。